妊娠・出産にともなう準備はいろいろありますが、意外と忘れがちなのが「車」です。
生まれた新生児を車に乗せて病院から自宅に帰るのであれば、その時点で車は必要になります。
出産を機に車を購入したり買い替える人は多いはず。というわけで、「どんな車を選ぶべきか?」について、おすすめ車種を交えながらわかりやすく解説します。
まずは夫婦でしっかり話しあうこと
当たり前のことですが、車の買い替えは夫婦でしっかり話し合うことが欠かせません。
子どもが生まれると、生活は大きく変わります。
いままでは夫婦2人で事足りていた車でも、子どもができると物足りなくなるもの。
まだ赤ちゃんが生まれていない場合は、イメージが沸かないせいもあって、話し合いがいい加減になることもあります。
出産後の生活をしっかりと思い描いて話し合いをしないと、車を買った後に「こんなはずじゃなかった…」となってしまいます。
このあとくわしく解説しますが、「赤ちゃんを育てるにあたって、どんな車が必要か?」ということを細かく話し合うべきです。
男性と女性では車の好みがちがう場合も多いですので、出産の前後でしっかりと話し合いましょう。
男性は車の実用性よりも”スタイル”を気にしますが、女性は使い勝手を重視します。
僕としてはどちらかに偏るのはよくないと思っています。なぜなら、どちらかの意見に寄せてしまうと夫あるいは妻の不満が溜まる要因になるからです。
そのため、必ず話し合って「折衷案」を考えるようにしましょう。お互いの意見の中間地点で車を決めるのがベスト、ということです。

子どもが生まれたら欲しい、車の性能や装備は?
夫婦の話し合いのなかで、欲しい車の理想像が出てくるはずです。
出産で赤ちゃんが生まれてから車を買い替えるケースもあるでしょうが、なかには出産前に車を買っておくという人もいるはずです。
その場合には、車に必要な性能や装備をしっかりと把握した上で車を選びましょう。
車を選ぶときに参考にしたい基準は以下のとおりです。
- ▷ チャイルドシートは必須
- ▷ 大きさはどれくらい?
- ▷ 養育費を考えて低燃費の車を
- ▷ お母さんの運転がメインなら運転のしやすい車を
- ▷ 2人目、3人目が生まれる可能性も考える
- ▷ 電動スライドドアが付いている
チャイルドシートは必須アイテム
チャイルドシートは0歳〜6歳未満の子どもに着用義務があります。つまり、新生児からすでにチャイルドシートは必要ということです。
これは道路交通法でも明確に規定されていますから、守らないと法律違反ということになります。
赤ちゃんが生まれたばかりの頃は「小さいし、抱っこで大丈夫だろう」と思いがちですが、大変危険ですので必ずチャイルドシートに乗せてください。
いまはコンパクトなタイプのチャイルドシートも発売されていますが、それでもチャイルドシートは場所をとります。
ですから、チャイルドシートを設置しても狭くならない車がいいでしょう。
また、座席位置(車高)が低い車は室内温度が高くなりやすいので注意が必要です。子どものことを考えるとできるだけ車高の高いミニバンなどを選ぶと良いでしょう。
すでにチャイルドシートを使っているなら、買い替える車でチャイルドシートがそのまま使えるかの確認も必要です。
メーカーによっては適合しないチャイルドシートもあるので、出産に合わせてよくチェックしましょう。

車の大きさはどれくらいが理想か?
車の買い替えにあたって特に悩むのが「大きさ」です。
大きければいいというものではありません。大きい車はそのぶん確実に燃費が悪くなります。
そして、大きい車は場所を取りますから駐車もしにくいですし、事故が起きる可能性も高くなります。
運転が苦手な人は大きなワゴン車に乗るのを恐ろしく感じるかもしれません。
最近はサイズの子どもが乗っても広々とした軽自動車が多く販売されていますから、軽自動車でも全然アリだと思います。
また、さきほど説明したように夫婦それぞれの好みもあるでしょうから、大きさについてはしっかりとイメージを共有して話し合いましょう。
子育てが始まることによって、運転の苦手な奥さんが車に乗る機会も増えると思います。
その場合には女性が運転しやすい車という目線で選ぶのも1つの方法ですね。
赤ちゃんにはお金がかかる!低燃費で維持費が安い車を
赤ちゃんが生まれると、出産費やオムツ、ベビー用品や洋服、保育園代にいたるまで、いままで以上にお金がかかります。
ですから、維持費が安く済む車に買い替えることをオススメします。
「維持費が安い車」というのは、具体的に以下のとおりです。
- ▷ ガソリン代が安い
- ▷ 自動車税が安い
- ▷ 保険料が安い
車を使う機会が増えるので、燃費が良い車を
子どもができると、なにかと車を使う機会が増えます。それはつまり、コレまで以上にがガソリン代が増える可能性が高いということ。
燃費が良い車として真っ先に思い浮かぶのがハイブリッド車ですね。車両価格が下がってきていますが、それでもまだまだ安いとはいえません。
このあたりのバランスはむずかしいところですが、トータルコストを考えるとガソリン車のほうが結果的にお得ということも多々あります。
また最近では、車両価格の高いハイブリッド車と同じ燃費レベルのガソリン車も出ています。
低燃費で車両価格の安い車、という目線で選ぶことが重要です。
ハイブリッド車は魅力もありますが、車両価格が高くなりがちなので、メリットばかりではないということです。
まずは毎月の維持費が第一優先。目先の利益に惑わされないようにしましょう。
出産にはお金がかかりますので、早いうちから十分な計画を立てたいですね。
自動車税が安い車を選びたい
車の税金にはいくつか種類がありますが、なかでも負担感が大きいのが「自動車税」です。
自動車税は年に1度支払い義務がある税金で、車の排気量に応じて以下のように税金を支払う必要があります。
乗用車の自動車税(年額) | |
---|---|
排気量 | 税額 |
1リットル以下 | 29,500円 |
1リットル超 1.5リットル以下 | 34,500円 |
1.5リットル超 2リットル以下 | 39,500円 |
2リットル超 2.5リットル以下 | 45,000円 |
2.5リットル超 3リットル以下 | 51,000円 |
3リットル超 3.5リットル以下 | 58,000円 |
3.5リットル超 4リットル以下 | 66,500円 |
4リットル超 4.5リットル以下 | 76,500円 |
4.5リットル超 6リットル以下 | 88,000円 |
6リットル超 | 111,000円 |
排気量が大きい車は環境負荷が大きいということで、税金も多く払わなければいけません。
反対にいえば、排気量が少ない車を選べば税金は安く済むということ。
また、軽自動車については一律で年額10,800円の「軽自動車税」になりますから、普通車よりも税金は安いです。

保険料が安い車を選ぶ
もう一つ負担が大きいのが自動車の保険料です。
いわゆるソニー損保や損保ジャパンなどで加入する任意保険の話ですが、これもなかなか負担が大きくて苦しいものです。
車の保険料で特に大きな割合を占めるのが「車両保険(車の凹みやキズの修理代に使える保険)」なんですが、車に乗る頻度が少ない人は車両保険をカットすべきだと僕は考えています。
というのも、車両保険をつけると、保険料がグンと高くなってしまうからです。
正直、子どもを乗せて事故が起きたとしても、人身傷害保険に加入していれば最低限の治療費は受けることができます。
このあたりは判断がむずかしいところですが、僕の意見としては「車両保険は不要」です。

平日はお母さんがメインなら運転のしやすい車に買い替えよう

出典:スズキ公式サイト
平日ご主人は車を使わない。平日は奥さんが運転をする。こういった家庭は多いかと思います。
それを考えると、やはりお母さん目線で車えらびをすることも大切。
夫婦で意見を合わせることは大切ですが、運転の中心が奥さんなら多少の譲歩があってもいいはずです。
いままで軽自動車しか運転経験のない女性が、ミニバンを運転することに不安があるといった話はよく耳にします。
最近はミニバンでも運転のしやすさを重視した車が多く出ているので、よほど運転が苦手でない限り問題はないでしょう。
とはいえ、出産のタイミングで運転をはじめる人も少なくありません。
車のサイズ感・運転のしやすさは買い替えるときの大切なポイントといえそうです。

子どもは全部で何人になるのか計画を
出産で車を買い替えるときに、最も気をつけたいのが「いまの状況だけしか考えないこと」です。
子どもができるとそこに神経がいくので仕方ないですが、できるだけ数年先までの計画を立てて車を選びましょう。
とりあえず子どもは1人だから軽自動車に買い替えよう、と思ったらすぐに2人目が出来た。
そうなると、チャイルドシートが2台必要になるので軽自動車ではハッキリ言って厳しくなります。
子どもがもっと増える可能性があるなら、あらかじめ大きめのミニバンへの買い替えを検討すべきです。
反対に子どもが1人だけであれば、大きめの軽自動車でも十分でしょう。
出産で大変な時期だからこそ、冷静になって車を買い替えたいところです。
車選びと、子づくり計画は密接に関わり合っているということをしっかり認識しましょう。

妊娠・出産で買いたい!おすすめ車種

出典:ホンダ公式サイト
- ▷ ホンダ・N-BOX
- ▷ トヨタ・シエンタ
- ▷ 日産・セレナ
子どもが1人であれば、正直N-BOXで十分です。車内も広いですし、使い勝手も抜群。
そしてなにより、以下のようなホンダセンシングを搭載しています。
Honda SENSINGの予防安全 | |
---|---|
渋滞追従機能付ACC | ▷加速・減速し、適切な車間距離をキープ ▷前走車が止まれば合わせて停車 |
衝突軽減ブレーキ〈CMBS〉 | 車両、歩行者、自転車に対応。自転車対応はHonda車で初 |
車線維持支援システム | 高速道路走行中、車線の中央を維持する |
誤発進抑制機能 | アクセルを踏み込んだ場合の急加速を抑制 |
歩行者事故低減ステアリング | 路側帯を歩く歩行者との衝突回避のための支援 |
路外逸脱抑制機能 | 車線をはみ出しそうになるのを防ぎ、車線内へ戻す |
先行車発進お知らせ機能 | 前走車の発進を音とディスプレー表示でお知らせ |
標識認識機能 | 道路標識をディスプレー表示し、標識への注意を促す |
後方誤発進抑制機能 | アクセルを踏み込んだ場合の、急な後退を抑制 |
オートハイビーム | 夜間走行時、ハイビームとロービームを自動で切り替え |
Honda SENSINGの衝突安全 | |
---|---|
サイドエアバッグシステム | 前席/後席対応。カーテンエアバッグも |
転席用&助手席用i-SRSエアバッグシステム | 「早く」「やさしく」「長く」ふくらんで、さまざまな体格や衝突状況に対応 |
衝突安全設計ボディー | 衝突時の衝撃(G)を制御する安全技術「G-CON」採用 |
プリテンショナーELRシートベルト | 衝突時、瞬時にシートベルトを引き込んで体を固定 |
頚部衝撃緩和フロントシート | 後方から低速で追突された際に、首への負担を軽減する |
後席シートベルト締め忘れ警告灯 | ルームミラー上部のランプでお知らせし、シートベルトの着用を促す |
もし2〜3人目の子どもが生まれるということであれば、3列シートのミニバンを選んだほうがいいでしょう。
価格の手頃さ、そしてファミリーカーとして計算しつくされた使い勝手を実現しているのが日産セレナです。
自動運転技術「プロパイロット」搭載なので、家族で長距離移動をするときにも運転がラクになります。

事前の話し合いと情報収集をしよう
赤ちゃんがまだ生まれていないのであれば、出産前に車を買い替えた方がいい場合もあります。
というのも、赤ちゃんを連れてディーラーや中古車販売店に行くのはなかなか大変です。ゆっくり車選びができません。
すでにめでたく出産をしているのであれば、少しずつ情報収集をはじめましょう。
赤ちゃんが生まれるタイミングによって、車の買い替えに対する行動は変わってきます。
養育費にはお金がかかるので、車を買い替えるのであれば、いま乗っている車をできるだけ高く売却することも検討しなければいけません。
なかなか時間が取れない方は、査定額は安くなりますが販売店の下取りを選ぶのも1つの方法です。
しかし、できるだけ車を高く買い取ってもらいたいのであれば、複数の買取店の査定額を比較することをオススメします。
少しでも高く売れれば、車の買い替えにかかる費用負担を軽くすることもできます。出産には費用もかかりますから、買い替えるお金が節約できるとベストですね。
まずはあなたの愛車がいくらになるか?最高額を知っておくと、買い替え計画が非常に立てやすくなりますよ。