最近ではネットの個人売買で車を売る人も増えています。
全体から見ればまだまだ少数派ですが、メルカリやヤフオクなどの普及で今後はもっと個人売買が増えるでしょう。
ただ、オークションなどで売買するということは業者を介さないということ。つまり、個人売買ならではのトラブルも多いということです。
ここでは車のオークションで起きるトラブル事例を紹介し、「トラブルを未然に防ぐ方法」と「トラブルにどう対処したらいいのか?」を解説していきます。
車のオークションにはどんな種類がある?
中古車の売買をするときの「オークション」という言葉には大きく分けて2つの種類があります。
- ・業者間のオークション
- ・ヤフオクなどの個人オークション
このうち、トラブルが起きやすいのは「個人オークション」です。個人売買におけるオークションですから、当然といえば当然の話。
それぞれどんなちがいがあるのでしょうか?
業者間のオークションはプロだけが参加できる
業者間のオークションは、車の買取業者など「車の売買を仕事にしてる人」が参加するものです。
買取店はお客さんから買い取った車をそのまま店頭で売ることもありますが、ほとんどはオークションに持ち込まれます。
つまり、中古車販売店の店頭に並んでいる車は、オークションの出品を待っている状態、とも言えるわけです。
オークションにはそれぞれ会場があり、その数は全国に約150ほど。
会場の大きさによりますが、大きいところだと1週間で20,000台の中古車が売買されます。
業者間のオークションは出品票(検査票)と呼ばれる、車の状態を表記した報告書をもとにして売買が行われます。
車買取店は、買い取った車をお客さんに販売できなくても、オークションで売りさばくことで利益を上げられるということです。
業者間のオークションは検査員がチェックする
業者間のオークションが個人間のオークションとちがうところは、検査員がいること。
つまり、第三者が間に入ることでトラブルが起きにくい仕組みになっているのです。
あくまでも業者のオークションなので、個人は参加することができません。
かなり安い価格で取引がされますが、あくまでも業者価格なので参考にはなりません。
個人の車ネットオークションはトラブル多し
個人間の車のネットオークションは、1対1(売りたい人・買いたい人)によって取引がおこなわれます。いわゆる個人売買です。
オークションと厳密にはちがいますが、メルカリなどのフリマアプリも個人売買になりますね。
なかにはオークション代行業者を使うケースもありますが、ヤフオクやメルカリで個人売買ができるので、直接やりとりをするケースが多いです。
業者間のオークションでは第三者である検査員がいると説明しましたが、個人のオークションではこうした第三者は存在しません。
つまり、車を客観的に評価してくれる人がいないということになります。
個人間のオークションは車の品質証明がない
車を個人間やオークションで売買するのは、いったいどんなデメリットがあるのでしょうか?
客観的な第三者がいないということは、出品票といった車の状態を示すものがないので売り手がその状態を明記します。
そうすると、出品する売り手は自由に車の状態を評価できます。
あまり考えたくはないですが、本当はボディにキズが付いているのに嘘を付いたり、内装が汚れているのを隠すこともできてしまいます。
そして最悪の場合にはメーターを改ざんしたり、嘘の表記をして相手を騙してお金だけをもらう人も出てくるといったトラブルが起きます。というより、実際に起きています。
安く買える(高く売れる)可能性は大。しかし、トラブル発生率も大
オークションは中古車の販売店よりは安く車が手に入る可能性があります。
また、売却するときも買取業者に売るよりも高く売れることがあるでしょう。
というのも、業者を間に挟まないので、いわゆる”マージン(手数料)”が発生しないからです。
さらにいうと、消費税もかかりません。消費税は「ビジネスとして車を売買しているときだけ」発生するものです。
そのため、買う側も売る側も消費税のことを考える必要がありません。
しかし、ネットオークションではトラブルがいつでも起こりうるということをしっかり認識しておきましょう。
個人間のオークションはデメリットも多いですが、買取店よりも高く売れる・安く買える、希少な車に出会えるなどメリットもあります。
個人間オークションはトラブル覚悟で、良し悪しをしっかりと考慮したうえで利用するようにしたいところです。
オークションで売るまえに愛車の相場をチェックすると失敗が減らせる
それでもオークションで車を売ろうという人は、肝心な「売値」を知るために客観的な中古車相場を知っておく必要があります。
中古車相場を知っておけば、安い値段で売ってしまうリスクを排除できます。
また、買うときも不当に高い金額でないかをチェックできるのです。
ちなみに、ネットの一括査定を使えば、その場で査定額が表示されるので相場の確認がスグに行えますよ。
キャンセルも出来るので、「とりあえず相場をチェックしてみる」という使い方もできます。
もし個人売買でヤフオクやメルカリを使うのであれば、対象の車がいくらで取引されているか事前にチェックすることをおすすめします。
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実際に起こるトラブル事例は多数
車のオークションには具体的にどんなトラブルが起こっているのでしょうか?
代表的なトレブル事例をいくつか紹介します。
- ・メーターの改ざんトラブル
- ・写真ではわからないキズが無数にある
- ・車の名義変更をおこなわない
- ・代金が振り込まれない
- ・事故車なのに修復歴なしと偽装している
トラブル1:メーター改ざん
メーターの改ざんは悪徳業者が行うもので、走行距離を戻すことをいいます。
中古車価格は走行距離によって決まることが多く、走行距離が少ないほうが高く売れます。
メーター改ざんをすれば、本当は5万キロ走っている車のメーターを戻して、2万キロにすることもできてしまうのです。
メーカー改ざんは違法ですが、個人でも十分に行えてしまいます。
オークションの個人売買では、改ざんの事実を知らずに買ってしまう可能性が高いので注意が必要です。

トラブル2:名義変更がおこなわれない
また、オークションで買った車の名義変更は、購入者が自分で行うのが基本です。
自分の車を売却した場合、購入者がきちんと名義変更をしてくれれば問題ないのですが、名義変更がないまま乗られてしまうと大変です。
なぜなら、車の事故や交通違反、自動車の納税義務などがすべてあなた自身に発生してしまうからです。
車をオークションで売るときには、購入者に名義変更をしっかり行ってもらうように注意しましょう。
もし名義変更に不安があるなら、個人売買のオークションは使わないほうが良いでしょう。
トラブル3:代金が振り込まれない
個人オークションで車を売却したとき、最も多いトラブルは代金が支払われないというケースです。
車を引き渡したのに、お金が振り込まれないというのは非常に多いトラブルです。また、第三者がいないので、誰にも保証してもらえません。
個人間であっても、きちんと契約書を作成してトラブルを回避しましょう。
よほど珍しい旧車を探している・売ろうと思っている人はオークションは便利かもしれません。
しかし、それ以外の人がトラブルを覚悟してまでオークションを使うメリットはハッキリいってないといえるでしょう。
代金が振り込まれないと、最悪の場合は裁判に訴えるしかなくなります。
ただし、メルカリやヤフオクなどは売る人と買う人の間に会社が入ってお金の管理をしてくれるので、万が一のときには対策を打つことができます。
車のオークションでトラブルを未然に防ぐ方法
個人売買のオークションは、車が高く売れる(買う人は安く買える)ので、メリットが大きいです。
ですから、事前にトラブルを防ぐ方法をチェックしておけば、かなり良い条件で車を売買できるでしょう。
トラブルを未然に防ぐには、以下のポイントをチェックしておいてください。
- ・ユーザーの評価や口コミを確認する
- ・いきなり購入しない
- ・自分が求める条件は、必ず紹介文に書いておく
- ・連絡のやりとりがいい加減な人とは取引しない
ユーザーの評価や口コミを確認する
ヤフオクやメルカリの個人売買の場合、ユーザーごとの個人評価をチェックすることができます。評価は5段階の★が多いですね。
この評価は、実際に取引実績をもとにして、ユーザー間でお互いの評価をしあった結果です。
つまり、他のユーザーからの評価が高い出品者(購入者)であれば、安心して取引ができるでしょう。
いきなり購入しない
オークションによっては、即決価格で購入を決められる場合があります。
欲しい車だったりすると「いくら出しても良い」という気持ちになりがちですが、これはおすすめしません。
なぜなら、商品ばかりに目がいってしまい、肝心の取引条件やさきほど紹介したユーザーの評価を見落としがちだからです。
個人売買のオークションでどんなに欲しい車が見つかったとしても、入札期間までに落とせればOKという冷静さを持つようにしましょう。
自分が求める条件は、必ず紹介文に書いておく
ネットオークションの場合、車の紹介文や自分のプロフィール文を書く欄があるはずです。
そこに、自分がどんな条件で取引をしたいのか明確に書いておきましょう。
たとえば、
- ・引き渡し場所は○○を希望
- ・○○日以内に代金を支払える方
- ・連絡をこまめにくださる方
などです。これをきちんと書いておけば、いい加減なユーザーは近寄ってきません。
また、事前に希望条件を書いておけば、落札が完了したあとに「話がちがう」といってトラブルになる可能性も低くなります。
連絡のやりとりがいい加減な人とは取引しない
これは僕の経験から言えることなのですが、連絡がいい加減な人とは取引をしないほうがいいです。
具体的には、
- ・連絡の返信が遅い
- ・返信の文章が極端に短い
- ・馴れ馴れしい文面(タメ口に近い文)
こういった人とは、車の売買という大きな金額が動く取引はしないほうが良いです。
なぜなら、期限を守らなかったり、一般的な常識を無視する傾向があるからです。
落札するまえにこういったユーザーはある程度排除できますから、余計なトラブルに遭わないためにも覚えておきましょう。
トラブルが起きたら、仲介している会社に相談しよう
万が一、個人売買のオークションでトラブルが起きてしまったら、オークションを運営している会社に問い合わせてみましょう。
たとえばヤフオクならヤフオクの運営側に問い合わせます。
オークションの運営側はトラブルが起こった際の対処法をきちんとマニュアルとして用意しています。ですから、その取り決めに従って対処をすれば、大きなトラブルには発展しないはずです。
もし、業者を介さない直接的な売買で車を取引するのであれば、トラブルが起きたときは完全に自己責任なので、ある程度の経験と覚悟が必要になります。
車の相場は業者が1番知っている
これまで説明したように、車のオークションにはトラブルが付き物です。
売る場合も買う場合も、車の相場がハッキリわからないので、いずれにしても損をする可能性が高くなってしまいます。
ですから、やはり車の売買はきちんと業者を交えて行うのがかしこい選択です。
もし車をオークションで売却しようとしているのであれば、まずは買取業者に査定してもらうことをオススメします。
買取業者に見積りを出してもらえば、愛車の相場を知ることができます。
予想よりも高い値段がつけばそのまま売却するのもいいですし、納得がいかない時にはオークションに出すというのも1つの方法です。
買取業者に査定してもらえば、オークションでの適切な相場観が把握できるので、買い手もつきやすくなります。
つまり、オークションに出す前に買取業者の査定に出すことで、いろいろな選択肢が生まれるのです。
車の一括査定は無料で利用できますので、一度活用してみてはいかがでしょうか?
最高額を知っておくことで、オークションで売るときにも有利に条件を設定することができますよ。