エコカーというのは非常にあいまいな呼び方ですが、わかりやすくいえば「燃費も良くて、維持費も安い車」といえるでしょう。
一昔前までは環境性能なんて度外視されてきましたが、最近は「いかにエコで環境にやさしい車か」を全面にアピールするメーカーが増えました。
エコカーに乗ると、どれくらいお得なのか?車の維持費が安くなる理由について、わかりやすく解説します。
エコカーへの買い替えでお得!自動車税が安くなる!

画像:ホンダ公式サイト
エコカーと聞いてまず思い浮かぶのが「エコカー減税」ですね。
エコカー減税は、環境への負担をが少ない車を対象にして車の税金を安くすることを目的につくられました。
たびたび改正が行われているエコカー減税ですが、仕組みがやや複雑です。
そもそも、一般的に呼ばれている「自動車税」というのは以下の3つに分かれています。
- ・自動車税(毎年5月に支払う税金)
- ・自動車取得税(買う時に支払う)
- ・自動車重量税(買う時&車検時に支払う)
車の税金は、一般的に「自動車税」とまとめて呼ばれていますが、厳密には3つに分かれています。
エコカー減税の対象になる車とは
エコカー減税はいくつかの段階に分かれている「燃費基準」を達成している車が対象です。
この「燃費基準」というのが少しわかりづらいのですが、以下のような分かれ方をしています。

出典:ホンダ公式サイトより
一言でわかりやすくいえば「エコカー減税は燃費の良さでクラス分けされていて、燃費が良い車ほどたくさん減税するよ」という感じです。
2020年度と平成27年度の燃費達成基準というのがあって、その達成度合い応じて「減税割合」が分かれています。
たとえば、2020年度の基準に達していれば自動車取得税が20%、自動車重量税が25%軽減されます。
あるいは、その基準を大きく上回る場合はもっと税金が安くなります。2020年度燃費を+50%達成すると自動車取得税や自動車重量税が全額免除です。すごいですよね。
このあたりの数字はかなり細かいので、すべてを覚える必要はありません。
重要なのは車を選ぶときに「どれくらい税金がお得になるか?」ということです。
ただし、燃費が良い車はエコカー減税による軽減も大きいですが、そのぶん車両価格が高い場合が多いので注意しましょう。
エコカーという言葉を聞いて「エコカーならお得!」と食いついてしまう前に「どれくらい減税になるか?」をチェックしたいですね。
そうすれば買い替える車種を決めるときにも計画が立てやすくなります。

エコカー減税対象車だと税金が10万円安くなることも

出典:スズキ公式サイト
実際にエコカー減税でどれくらいお得になるのか計算してみましょう。
まずはエコカー減税が適用されない車の新車購入時、つまり最初に支払う自動車税です。
こちらもホンダ公式サイト「エコカー減税」より条件を引用します。
(新車は車両重量1.5トン、排気量1.7Lとする)
- 【エコカー減税の対象外だと…】
- ・自動車税 3万9500円
- ・自動車重量税 3万6900円
- ・自動車取得税 6万円
- ▷ 合計:13万6400円
エコカー減税が1つも適用されないので、すべて通常通りに税金を払う必要があります。
続いて、エコカー減税対象の車について計算してみましょう。
さきほどの表の1番左「次世代自動車」の新車購入時に支払う自動車税についてです。
- 【エコカー減税の対象だと…】
- ・自動車税 3万9500円
- ・自動車重量税 0円(全額免除)
- ・自動車取得税 0円(全額免除)
- ▷ 合計:3万9500円
自動車税以外は全額免除になるので、新車購入時に支払う税金は3万9500円のみです。
計算してみると、差額は以下のようになります。
【 13万6400円 – 3万9500円 = 9万6900円 】
エコカーで減税額が最も大きい車を買うだけで、最初に払う自動車税が9万6900円も安くなります。
約10万円もの税金を節約できるわけですから、エコカー減税に買い替えることでいかに維持費が安くなるかがわかります。
厳密に言うと、3年目まで継続して自動車税が安くなるので、計算した以上に税金は安くなります。
新車購入時に約10万円も浮くわけですから、浮いたお金でカーナビを付けてもいいですし、オプション装備を選ぶのもいいですよね。
もちろん、エコカーによっては車両価格が高い車種もあります。というより、環境性能が良い車はそのぶん値段が高いことがほとんどです。
いくら税金が安くても、車両価格が高くついてしまっては節約につながりません。
お得に買い替えるためには「トータルの費用」で考えるようにしましょう。

エコカーはガソリン代(燃料代)が安い

出典:スズキ公式サイト
エコカーの最大の売りはなんといっても「ガソリン代(燃料代)」の安さです。
さきほどエコカー減税について解説しましたが、そもそも環境負荷が少ない車しかエコカー減税の対象になれません。つまり、エコカーであるということは、二酸化炭素などの排出が少ない「低燃費車」であるのが基本です。
エコカーとそうでない車の燃費と比べてみると、その差は歴然です。
ここでは引き続き、エコカー減税の対象車とそうでない車を例にとって解説します。
エコカー減税の対象じゃない、燃費がイマイチな車の場合
まずは燃費が良くない車について。例にあげるのはホンダ「CR-V」です。
型式によって燃費やエコカー減税の対象か否か分かれています。
たとえば「24G(4WD)」モデルのCR-Vは燃費がJC-08モードで「11.6km/L」となっています。
実燃費はもう少し下がるでしょうし、エコカー減税の対象ではないので自動車税も通常どおり払わないといけません。ガソリン代を考えると、燃費負担が気になりますね。
エコカー減税対象の、燃費が良い車の場合
次は燃費が良い車についてです。例にあげるのはホンダ「フィット ハイブリッド」です。
フィットはエコカー減税の対象になっており、多くの型式が自動車取得税と自動車重量税が全額免除です。
たとえば「HYBRID・Fパッケージ」モデルのフィットは、燃費がJC-08モードで「33.6km/L」となっています。
さきほどのCR-Vと比べると、約3倍ほどの燃費性能です。
単純計算でもガソリン代が3分の1。月にガソリン代が3万円かかっていたとすると、なんと1万円で済むことになります。
エコカーの燃費の良さは、車を買い替える最大のメリットになるでしょう。
エコカーは車両価格が高くつくことが多い
ただし、1つだけ注意があります。
さきほども説明したとおり、燃費が良いエコカーのなかには車両価格が高い車種もあります。
燃費性能が良いということは、それだけ新しい技術を取り入れているため、どうしても車両価格が高くなってしまうのです。
ガソリン車よりもハイブリッド車の価格が高いというのが、その好例です。
「燃費も良いし、ガソリン代が節約できる!」と飛びつくまえに、まずはトータルでかかる費用を考えて買い替えたいですね。

「エコカー割引」で車の保険料が安くなる
エコカーがお得な理由として、保険料の安さも挙げられます。
自動車保険各社は、燃費が良い車などに対して保険料の割引サービスを行っており、エコカーに乗ることで保険料を節約することが可能です。
たとえば損保ジャパンには「エコカー割引」という制度がありまして、対象の車であれば保険料が3%割引になります。
ご契約の自動車が自家用乗用車(普通・小型・軽四輪)の電気自動車*1、ハイブリッド自動車*2または圧縮天然ガス自動車(CNG車)*3で、ご契約期間の初日の属する月が自動車検査証などに記載の初度登録年月(または初度検査年月)の翌月から起算して13か月以内の場合は、「エコカー割引」として保険料を割り引きます。
エコカーに乗ることでどれだけ保険料がお得になるかは保険会社によって差があります。
エコカーに乗って少しでも維持費を安くしたいということであれば、エコカー割引制度がある保険会社を選んだほうがお得です。
エコカーへお得に買い替える方法

画像:スズキ公式サイト
ここまでエコカーに買い替えることで、どれだけお金を節約できるかご紹介しました。
もし、エコカーへの買い替えを検討しているのであれば、いまの車を高く売れるようにしたいところです。
いま乗っている車が高く売れれば、買い替えにかかる資金を減らすことができます。
なぜなら、車が高く売れれば購入予算を増やすことができるからです。
ディーラーの下取り見積りを受けるのはもちろんですが、それに合わせて買取店の査定も受けるようにしましょう。
そうすることで、ディーラーの下取りと買取価格を競わせることができます。
やることはシンプルで、下取り額と買取額を比較して高い方に売るだけです。
一括査定を活用するなどして、できるだけお得にエコカーに買い替えたいですね。
まずはいま乗っている車の見積もりを出してもらいましょう。