日産「フーガ」とトヨタ「クラウン」は、ともに国産車を代表する高級セダンとしてライバル関係にあります。
高級セダンの購入を検討していると、どちらを選んだらよいのか迷うのではないでしょうか?
フーガとクラウンの違いを徹底的に比較して、どっちが買いなのか解説します。
フーガは曲線、クラウンは直線。ボディの形状に違い
最初に、フーガとクラウンのボディの違いを比較してみましょう。
まず、スタイリングはフーガが曲線基調であるのに対し、クラウンは直線基調という違いがあります。
また、クラウンには「ロイヤル」「アスリート」「マジェスタ」の3つのシリーズがあり、それぞれで異なるフロントマスクを採用していますが、いずれも押し出し感の強いことでは共通しています。
一方、フーガは比較的おとなしいデザインのフロントマスクを持っています。
次に、フーガとクラウン各シリーズのボディのスペックを比較してみましょう。
車名 | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) | ホイールベース(mm) | 車両重量(kg) | 最小回転半径(m) |
---|---|---|---|---|---|---|
フーガ | 4,980 | 1,845 | 1,500~1,515 | 2,900 | 1,710~1,880 | 5.6~5.7 |
クラウンロイヤル | 4,895 | 1,800 | 1,460~1,475 | 2,850 | 1,540~1,760 | 5.2~5.4 |
クラウンアスリート | 4,895 | 1,800 | 1,450~1,465 | 2,850 | 1,590~1,760 | 5.2~5.4 |
クラウンマジェスタ | 4,970 | 1,800 | 1,460~1,475 | 2,925 | 1,810~1,830 | 5.3~5.5 |
この表から、フーガのほうがクラウン・シリーズよりもひと回り大きいボディを持つことが分かりますが、とくに全幅の差に注目する必要があります。
クラウン・シリーズは、多くの立体駐車場に収まる1,800mmに抑えらえています。
一方、フーガは1,845mmあるので、一部の立体駐車場しか利用できません。
そのため、都市部で使う場合は利便性に差が出てしまいます。
また、クラウン・シリーズはボディが小振りなうえ最小回転半径が小さいので、取り回しの面でも有利になっています。
わずかな差ではありますが、運転のしやすさなどを考えるとクラウンに軍配が上がります。
フーガとクラウンのインテリアの違いを比較
次に、フーガとクラウン・シリーズのインテリアの違いを比較してみましょう。
まず、インパネはフーガが曲線基調で統一されたデザインであるのに対し、クラウン・シリーズは直線と曲線を組み合わせたデザインになっています。
用意されるシート表皮は、フーガがネオソフィール/ジャガード織物と本革、およびセミアニリン本革です。
クラウン・シリーズはファブリットと本革になっています。
続いて、フーガとクラウン・シリーズの室内寸法と乗車定員を比較してみましょう。
室内寸法においても、ボディサイズが大きいフーガの方がゆとりがあることが分かります。
車名 | 長さ(mm) | 幅(mm) | 高さ(mm) | 乗車定員(人) |
---|---|---|---|---|
フーガ | 2,090 | 1,535 | 1,215 | 5 |
クラウンロイヤル | 1,975 | 1,510 | 1,190 | 5 |
クラウンアスリート | 1,975 | 1,510 | 1,190 | 5 |
クラウンマジェスタ | 2,050 | 1,510 | 1,190 | 5 |
フーガとクラウンのパワートレインの違いを比較
続いては、フーガとクラウン・シリーズのパワートレインの違いを比較します。
まず、駆動方式については、フーガとクラウンの各シリーズに2WD(FR方式)と4WDが設定されています。
次に、エンジンとトランスミッションの組み合わせに関しては、以下のとおりになります。
車名 | パワートレイン | JC08モード燃費(km/L) |
---|---|---|
フーガ | 3.5L V6エンジン(最高出力306ps/最大トルク35.7kgm) モーター(最高出力68ps/最大トルク29.6kgm) 7速ハイブリッドトランスミッションのハイブリッド 3.7L V6エンジン(最高出力333ps/最大トルク37.0kgm) 7速トルクコンバーター式AT 2.5L V6エンジン(最高出力225ps/最大トルク26.3kgm) 7速トルクコンバーター式ATの3種類 | 8.9~18.0 |
クラウンロイヤル | 2.5L直4エンジン(最高出力178ps/最大トルク22.5kgm) モーター(最高出力143ps/最大トルク30.6kgm) 電気式無段変速機のハイブリッド 2.5L V6エンジン(最高出力203ps/最大トルク24.8kgm) 6速トルクコンバーター式ATの2種類 | 10.2~23.2 |
クラウンアスリート | 2.5L直4エンジン(最高出力178ps/最大トルク22.5kgm) モーター(最高出力143ps/最大トルク30.6kgm) 電気式無段変速機のハイブリッド 3.5L V6エンジン(最高出力315ps/最大トルク38.4kgm) 8速トルクコンバーター式AT 2.5L V6エンジン(最高出力203ps/最大トルク24.8kgm) 6速トルクコンバーター式AT 2L直4ターボエンジン(最高出力235ps/最大トルク35.7kgm) 8速トルクコンバーター式ATの4種類 | 10.2~23.2 |
クラウンマジェスタ | 3.5L V6エンジン(最高出力292ps/最大トルク36.1kgm) モーター(最高出力200ps/最大トルク28.0kgm) 電気式無段変速機のハイブリッド 2.5L直4エンジン(最高出力178ps/最大トルク22.5kgm) モーター(最高出力143ps/最大トルク30.6kgm) 電気式無段変速機のハイブリッドの2種類 | 18.2~19.0 |
パワートレインの種類は、フーガの3種類に対し、クラウンは各シリーズあわせると5種類が用意されています。
また、ハイブリッドシステムの方式は、フーガがパラレル式です。
一方のクラウン・シリーズはより複雑な制御をおこなうスプリット式を採用しています。
フーガとクラウンのメカニズムの違いを比較
次に、パワートレイン以外のメカニズムの違いを比較してみると、ブレーキ形式に一部違いがみられます。
フーガは、全車に4輪ベンチレーテッドディスク式が装備されています。
一方クラウン・シリーズは、アスリートの3.5L V6エンジン搭載車とマジェスタの3.5Lハイブリッド車のみ4輪ベンチレーテッドディスク式で、それ以外はリアが冷却性能の劣るソリッドディスク式となります。
フーガとクラウンの快適・豪華装備の違いを比較
続いて、フーガとクラウン・シリーズの快適・豪華装備の違いを比較します。
まず、フーガのみに標準で付くおもな装備には、以下のようなものがあります。
- ・インテリジェント アラウンドビューモニター(全車)
- ・車間距離維持支援システムのインテリジェント ペダル(全車)
- ・アロマディフューザー+プラズマクラスター(全車)
この中で特に注目されるのは、車両周辺の映像をナビ画面に表示し、安全確認に大きな効果を発揮するインテリジェント アラウンドビューモニターです。
一方、クラウン・シリーズのみに標準で付くおもな装備は、以下のとおりです。
- ・ナノイー(ロイヤル&アスリートの廉価グレードをのぞく全車)
- ・リヤオートエアコン(マジェスタの上級グレード)
- ・パワーイージーアクセスシステム(マジェスタ全車)
- ・イージークローザー(ロイヤル&アスリートの廉価グレードをのぞく全車)
注目の装備は、ドアを軽く閉めた場合も半ドアにならないイージードアクローザーです。
フーガとクラウンの安全装備の違いを比較
次に、フーガとクラウン・シリーズの安全装備の違いを比較してみましょう。
安全運転支援システムは、フーガ、クラウン・シリーズとも全車に標準装備されますが、以下に示すように内容は異なっています。
車名 | 衝突被害軽減ブレーキ | 車線逸脱防止支援システム | 後側方衝突防止支援システム | 後退時衝突防止支援システム | レーダークルーズコントロール |
---|---|---|---|---|---|
フーガ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇(0-100km/hの車速域に対応) |
クラウン・シリーズ | 〇 | 〇 | × | × | 〇(約50-100km/hの車速域に対応) |
この表で分かるように、フーガのほうが安全装備機能が充実しています。
さらに、レーダークルーズコントロールの性能を比べると、フーガは停車までサポートするため一般道でも使えます。
一方のクラウン・シリーズは50km/h以下では作動しないため、高速道路などでしか使えない欠点があります。
フーガとクラウンのグレードと価格を比較
フーガとクラウン各シリーズの価格は、以下のとおりになります。
- ・フーガ 480万600円~696万4,509円
- ・クラウンロイヤル 381万2,400円~598万8,600円
- ・クラウンアスリート 396万3,600円~618万3,000円
- ・クラウンマジェスタ 642万6,000円~714万9,600円
クラウンロイヤル/アスリートは、フーガよりも低めの価格設定になっています。
一方、クラウン・シリーズの最上級モデルと位置付けられるクラウンマジェスタは、フーガよりも価格帯が上になっています。
フーガとクラウンでは、どちらがよいのか?
結局のところ、フーガとクラウン・シリーズでは、どちらがよいのでしょうか?
まず、日常的な使いやすさの点では、狭い道路での取り回しに優れ、入庫できる立体駐車場が多いクラウン・シリーズが勝ります。
一方、室内スペースのゆとりに関しては、ボディサイズが大きいフーガが勝ります。
パワートレインに関しては、バリエーションの面では燃費性能がきわめて優れた2.5Lハイブリッドや、流行のダウンサイジングターボが用意されるクラウン・シリーズが一歩リードしています。
装備面では、快適・豪華装備に関してはほぼ互角ですが、安全装備に関してはフーガが一歩リードしています。
総合的には甲乙つけがたいので、どちらを選ぶかはお好み次第ということになるでしょう。
個人的には走行性能よりも安全装備を重視したいので、わたしであればフーガを購入します。
買い替えは下取りNG。買取店に査定してもらおう
ここで、ひとつアドバイスがあります。
フーガ、クラウン・シリーズのどちらを購入するにしても、いま乗っている車をディーラーに下取りに出してはいけません。
なぜなら、ディーラーの下取り価格は、中古車買取店の買取価格よりも低いことが多いからです。
また、中古車買取店の査定額もお店によりまちまちなので、一番高く買取ってくれるお店を見つける必用があります。
そのためには、車の無料一括査定が役立ちます。
車の一括査定は、簡単な手続きをするだけで、一番高い査定額を付けてくれる買取店が見つかる大変便利なサービスです。
フーガとクラウン、どちらを購入するにしても、必ず愛車を最高額で売却するようにしたいですね。