自動車保険の見直しは基本的に1年ごとに行われます。
そして、新しい別の保険に切り替えるときは契約期間の終了を待つのが普通です。
しかし、いまの自動車保険の契約期間を待たないで、途中で新しい保険に切り替えることを「中途更改」といいます。
保険を切り替えるときに中途更改をする人がいますが、じつは損をすることもあります。
中途更改のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
中途更改とは?どんなときに行うの?
中途更改とは、いま契約している保険を任意解約(自分から解約を請求すること)して、あたらしい保険に加入することをいいます。
なぜわざわざそんなことをする理由があるのでしょうか?
考えられるのは、以下のようなケースです。
- ・他の自動車保険の保険料が安くて魅力的だから
- ・複数の車を所有していて保険の契約日を合わせるため
中途更改をする人は少数派ですが、上記のケースでは中途更改のメリットが得られる可能性があります。
他の自動車保険が魅力だから切り替えたい人
いま契約している自動車保険よりも安くて魅力的な保険が見つかった場合には、解約してでも保険を切り替えたいことがあります。
保険料がいまのプランより安い、補償が充実しているといった場合です。
あるいは知人や仕事の付き合いで別の保険に切り替えたいということもあるかもしれません。
その場合には中途更改をして新しい保険に加入するという方法をとることになります。
複数の車の更新日を合わせたい
車を何台も所有している場合、1台ごとに保険の契約期間がちがうと手続きが面倒です。
なぜなら、満期になるたびに保険内容を比べて最適なプランを選ばなければいけないからです。
複数の車の保険更新日が同じになれば、同じタイミングで保険を比べることになるので精神的な負担も軽減します。
そんなとき、中途更改をしてすべての保険契約日(満期日)をあわせる事が可能です。
中途更改のメリットとは?
メリットは、今の自動車保険よりも安い保険が見つかった場合に切り替えができるので、保険料負担が軽減される可能性があるということ。
そして、何台もの車を所有している場合は、保険の契約日を統一できるので手続きをするときにラクになるメリットがあります。
こういったメリットを優先するために中途更改を検討する人は少なくありません。
中途更改をすることで、契約途中でもほかの保険に切り替えることができます。
すでに持っている車と契約日(保険始期日)を合わせると、手続きがラクになるんですね。
中途更改すると等級はどうなるの?
自動車保険には等級という仕組みがあります。
1〜20等級に分かれていて、数字が大きいほど割引率が高くなるというものです。
等級を上げるには、継続して保険に加入して、なおかつ保険を使わない(事故がない)状態を維持しなくてはいけません。
中途更改をするということは、保険を途中で解約して、別の保険に切り替えることになります。
等級が下がったりするのでは?と思われるかもしれませんが、中途更改をしても等級は維持できます。
しかし、あとでくわしく解説しますが、中途更改をすると等級の進行が遅れる(等級が上がるまで時間がかかる)ので、注意が必要です。
意外に多い?中途更改のデメリットとは
一見すると長所が多いようにも思える中途更改。一方で、いったいどんなデメリットがあるのでしょうか?
等級の進行が遅れてしまう
自動車保険は契約を継続すると1年ごとに等級が上がるのが基本です。
等級が上がると、保険料が安くなるので負担が軽減します。
しかし、中途更改をした場合は、等級が進む(上がる)のが遅れてしまいます。
中途更改で等級の上がる日がズレてしまう
具体例を挙げて説明しましょう。
たとえば、1月1日に自動車保険を15等級で新規契約したとしましょう。
もしこのまま同じ保険に入っていれば、来年の1月1日には等級が上がるので16等級になります。
しかし、同じ年の4月1日に「今より良くて安い保険が見つかった!切り替えたい!」となった場合にはいまの保険を任意解約して、中途更改で新しい保険に切り替えます。
そうすると、4月1日で中途更改(いったん解約)していることになるので、等級が上がるのは来年の4月1日になってしまうのです。
つまり、1月1日〜4月1日の3ヶ月分の等級割引が適用されません。
本来は1年間で等級が上がっていたはずが、中途更改することで等級の進行が遅れてしまいます。
中途更改で必ず安くなるとは限らない
中途更改を選ぶときの理由として一番多いのは恐らく「保険料を安くしたい」といったケースだと思います。
自動車保険は毎年のように新しいプランが出てくるので、補償が充実しているのに保険料が安いプランがたくさん登場します。
ですから、それに合わせてついつい違うプランに目が行く気持ちはよくわかります。
しかし、残念ながら切り替えたはいいものの、じつはそんなに安くなかったということが起きています。
中途更改で保険を切り替えるのであれば、「いまの自動車保険よりも安くなるのか?」を事前にしっかりと見積もりをとって比較するようにしましょう。
中途更改すべき?いまの保険を継続すべき?決断のポイント
このように、中途更改にはメリットとデメリットがあります。
「いまより安い保険が見つかった」というケースであっても、等級が上がって保険料が下がることで、結果的に同じような利益を得られる場合もあります。
その場合にはいまの保険のままのほうが良いこともあるのです。
保険料を節約するには新しい保険の保険料だけを見るのではなく、等級アップによる保険料の値下がりも含めて考えましょう。
それぞれ、どちらが自分にとってメリットになるのかは、いろいろな自動車保険をくらべてみないとわかりません。
下記でも紹介していますが、ネットの一括見積を使えば、複数の保険会社から簡単に見積りを出してもらうことができます。
中途更改を選ぶか、いまの保険を継続するか。
どちらがより良い選択になるかを知るためにも、さまざまな自動車保険を比較してみることをオススメします。
まずはインターネットの一括比較でカンタンに見積もりをとってみましょう。そのうえで中途更改の判断をすると失敗なく保険を見直せるはずですよ。