軽自動車とコンパクトカーはクラスや価格帯が近いため、どちらを選んだらよいか迷っている人も多いはずです。
そんな悩める人のために、軽自動車とコンパクトカーの違いを検証するとともに、それぞれのおすすめのポイントを紹介することにしました。
軽自動車とコンパクトカーの違いを検証
まずは、軽自動車とコンパクトカーの違いを、さまざまな角度から検証してみましょう。
軽自動車とコンパクトカーのボディサイズの違いは?
軽自動車のボディサイズは、法律で以下のように決められています。
- 全長が3.4m以下
- 全幅が1.48m以下
一方、コンパクトカーは法律でボディサイズが制約されているわけではありません。
したがって、どこまでの大きさがコンパクトカーなのかは一概には言えません。
とはいえ、全長が4m以下、全幅が1.7m以下の車種なら間違いなくコンパクトカーと呼べるでしょう。
コンパクトカーのボディは、セダンなどと比べれば小さいので、取り回しで困ることはまずありません。
しかし、幅員のごく狭い裏道でのすれ違いは、より車体が小さい軽自動車の方が容易です。
一方、全高に関しては、一般的に軽自動車の方が高めになっています。
軽自動車とコンパクトカーの室内スペースの違いは?
室内に目を向けると、乗車定員は軽自動車が法的に4名以下と定められているのに対し、コンパクトカーはそうした制約がないため、一般的に5名乗れる車種が多くなっています。
また、室内スペースに関しても、ボディサイズが大きいコンパクトカーの方が条件としては有利です。
しかし、実際には軽自動車は極限まで積載量を追及し、コンパクトカー顔負けの室内スペースを実現している車種がほとんどです。
室内幅の点では、全幅が限られているのでコンパクトカーにかないませんが、室内長は引けを取りません。
また、さきほど述べたように全高が高く設定されているため、頭上の空間がコンパクトカー以上に余裕があるのも軽自動車の特徴です。
軽自動車とコンパクトカーのエンジンの違いは?
軽自動車とコンパクトカーでは、エンジンの排気量が大きく異なります。
軽自動車は、法律で660cc以下と定められています。
一方、登録車であるコンパクトカーには排気量の制限はありませんが、一般的に1000cc~1500ccクラスが多くなっています。
動力性能を比較すると、やはり排気量が大きい分コンパクトカーの方が優れています。
特に、高速道路の上り坂や、追い越し加速をかける際などに大きな差が出ます。
また、高速走行時の静粛性の面でも、コンパクトカーは軽自動車ほどエンジン回転が高くならず、遮音もしっかりしているので有利になります。
軽自動車とコンパクトカーの走行性能の違いは?
軽自動車は、全幅が狭い分トレッド(左右のタイヤ間の幅)も狭いため、コンパクトカーと比較するとカーブを曲がるときの安定感が劣ります。
そのため、コンパクトカーよりもスピードを控えめにする必要があります。
さらに、トレッドが狭いわりに全高が高いので、車体がグラっと傾くロールも大きめになります。
一方、直線道路での走行安定性はそこまで大きな差はありませんが、背の高い軽自動車の場合、横風の影響を受けやすい欠点があります。
また、コンパクトカーよりもホイールベースも短いので、荒れた路面を走ったときのピッチングが大きいなど、乗り心地の面でも不利です。
軽自動車とコンパクトカーの燃費の違いは?
軽自動車とコンパクトカーの燃費を比較すると、平均的には排気量が小さく車体も軽い軽自動車の方が優れています。
ただ、コンパクトカーだけに存在するハイブリッド車(フルハイブリッド車)の場合は、軽自動車と同じかそれ以上の燃費性能を実現しています。
軽自動車とコンパクトカーの装備の違いは?
最近の軽自動車は装備が充実しているので、コンパクトカーとの差はほとんどなくなっています。
衝突被害軽減ブレーキをはじめとする予防安全装備に関しては、むしろ軽自動車の方が採用している車種が多いくらいです。
軽自動車とコンパクトカーの安全性の違いは?
さきほど、予防安全装備はむしろ軽自動車の方が充実していると述べましたが、ボディサイズが大きいコンパクトカーの方が衝突安全性については有利です。
ただし、軽自動車にもコンパクトカーを超えるほどの衝突安全性を実現した車種もありますし、コンパクトカーでも衝突安全性の低いモデルもあります。
軽自動車とコンパクトカーの価格の違いは?
最近の軽自動車は、コストをかけた設計や装備の充実化などにともない、車両価格はコンパトカーと大きな差がなくなっています。
ただし、軽自動車には80万円台で買えるモデルがあるのに対し、コンパクトカーは一番安くても110万円台からなので、やはり安さでは軽自動車に分があります。
このあたりは内装や装備品にどれくらいの品質を求めるかによって変わってくるでしょう。
軽自動車とコンパクトカーの維持費の違いは?
毎年4月1日に請求される自動車税(または軽自動車税)は、軽自動車が5,400円~10,800円、コンパクトカーが7,500円~34,500円で、軽自動車の方が安くなっています。
また、新車購入時に課せられる自動車重量税は、軽自動車が0円~9,900円、コンパクトカーが0円~36,900円で、やはり軽自動車の方が低めです。
次に自賠責保険(37か月分)を比較すると、軽自動車が35,610円、コンパクトカーが36,780円で、軽自動車の方がわずかに安く設定されています。
そのほか、消耗品の交換費用や車検費用なども、軽自動車の方が安く上がります。
軽自動車は維持費が安く、気軽に乗れる
続いて、これまでの検証結果のまとめもかねて、軽自動車のおすすめポイントを紹介します。
- ・車体が小さいので狭い路地や駐車場も苦にならない
- ・車両価格が安い
- ・維持費が安い
軽自動車はとにかく車体が小さく小回りが効くので、自宅や駐車場の近くに狭い道路が多い場合は、積極的に選ぶ価値があります。
また、中には自宅の駐車スペースが狭く、コンパクトカーでさえ駐車するのが大変な場合もあるはずですが、そんなケースでは軽自動車一択になるでしょう。
そして、ひと昔前よりも高価になったとはいえ、価格面のメリットがなくなったわけではありません。
さらに、ガソリン代や税金、車検費用といった維持費が安上がりなのも、軽自動車の大きな魅力です。
コンパクトカーは走行性能が高く、衝突安全性が高い
一方、コンパクトカーのおすすめポイントは、以下のとおりになります。
- ・5人乗れる車種が多い
- ・軽自動車よりも動力性能に余裕がある
- ・軽自動車よりも走行性能や乗り心地がよい
コンパクトカーは、軽自動車よりも乗車定員が1名多い車種がほとんどですが、家族構成によっては無視できない大きなメリットになります。
また、軽自動車よりも全幅が広いので、ドライバーと助手席の人の体が触れてしまう「うっとうしさ」もありません。
そして、動力性能やカーブでの安定性、乗り心地など、車としての基本性能が軽自動車よりも優れていることも、コンパクトカーのおすすめポイントです。
軽自動車とコンパクトカーのどっちを選ぶ?
結論を言いますと、軽自動車とコンパクトカーで迷った場合は、買い物や送迎などの街乗りがメインで、かつ4人乗れれば十分なら軽自動車で満足できるはずです。
一方、どうしても5人乗れないと困る場合や、高速道路や山道を走りながら遠出する機会が多い場合は、コンパクトカーという選択になります。
軽自動車とコンパクトカーのいずれに買い替える場合にも共通しているのは、愛車を手放す方法は車の一括査定の利用がベストだということです。
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