イギリスのロータス・カーズが製造販売する「エリーゼ」は、ライトウエイトスポーツカーの代名詞的な存在となっています。
日本にも多くのファンがいますが、これからエリーゼを買おうという人のために、値段と維持費はいくらくらいなのかを調べてみました。
- ロータス・エリーゼは、全部で8タイプのラインナップ
- 価格を抑えたベーシックな「エリーゼ」
- スポーツ走行に適した装備が追加される「エリーゼ スポーツⅠ」
- 10kgの軽量化を図った「エリーゼ スポーツⅡ」
- 徹底的な軽量設計を導入した「エリーゼ スプリント」
- スーパーチャージドエンジンと専用リアウイングが特徴の「エリーゼ S」
- エリーゼ スポーツⅠのハイパフォーマンス版「エリーゼ スポーツ220Ⅰ」
- エリーゼ スポーツⅡのハイパフォーマンス版「エリーゼ スポーツ220Ⅱ」
- エリーゼ スプリントのハイパフォーマンス版「エリーゼ スプリント220」
- ロータス・エリーゼの維持費は、輸入車としては高くない
- 値段に見合った魅力があるロータス・エリーゼ
ロータス・エリーゼは、全部で8タイプのラインナップ
ひとことでロータス・エリーゼといっても、グレードは全部で8タイプが用意されています。
ラインナップと主要スペック、および値段は以下の通りです。
グレード | エンジン | 最高出力/最大トルク (ps)/(kgm) | 車両重量 | 最高速度 | 0-100km/h加速 | 値段 |
---|---|---|---|---|---|---|
エリーゼ | 1.6L直4DOHC NA | 136/16.3 | 841kg | 204km/h | 6.5秒 | 496.8万円 |
エリーゼ スポーツⅠ | 1.6L直4DOHC NA | 136/16.3 | 866kg | 204km/h | – | 520万円 |
エリーゼ スポーツⅡ | 1.6L直4DOHC NA | 136/16.3 | 856kg | 204km/h | 6.5秒 | 550.8万円 |
エリーゼ スプリント | 1.6L直4DOHC NA | 136/16.3 | 830kg | 204km/h | 6.2秒 | 626.4万円 |
エリーゼ S | 1.8L直4DOHC スーパーチャージド | 220/25.4 | 905kg | 234km/h | – | 630万円 |
エリーゼ スポーツ220Ⅰ | 1.8L直4DOHC スーパーチャージド | 220/25.4 | 914kg | 234km/h | – | 650万円 |
エリーゼ スポーツ220Ⅱ | 1.8L直4DOHC スーパーチャージド | 220/25.4 | 904 kg | 233km/h | 4.6秒 | 669.6万円 |
エリーゼ スプリント220 | 1.8L直4DOHC スーパーチャージド | 220/25.4 | 878kg | 233km/h | 4.5秒 | 775.2万円 |
数字だけでは価格のちがいがわかりづらいですから、ここから具体的にグレードごとの比較をしていきましょう。
価格を抑えたベーシックな「エリーゼ」
もっと廉価なモデルで、コストを抑えたベーシックな仕様になっています。
しかし、SRSデュアルエアバッグ、ABS、ESP(車両安定化制御装置)といった最低限必要な安全装備は備わっています。
スポーツ走行に適した装備が追加される「エリーゼ スポーツⅠ」
「エリーゼ」よりも23万2,000円高価です、
スポーツ走行がより楽しめるよう、スポーツシート/スポーツサスペンション/スポーツESPが追加されています。
10kgの軽量化を図った「エリーゼ スポーツⅡ」
「エリーゼ スポーツⅠ」をベースに、多くの新コンポーネンツを導入して10kgの軽量化を図ったモデルです。
値段は30万8,000円高くなっています。
徹底的な軽量設計を導入した「エリーゼ スプリント」
カーボン製レースシートや軽量鋳造アロイホイール、リチウムイオンバッテリーなどの採用により、徹底的な軽量化を図ったモデルです。
さらに、高価なカーボンファイバー製の外装パーツなども採用しているため、値段は「エリーゼ スポーツⅡ」よりも75万6,000円高くなっています。
スーパーチャージドエンジンと専用リアウイングが特徴の「エリーゼ S」
「エリーゼ」をベースに、より強力な1.8Lスーパーチャージドエンジンを搭載すると同時に、高いダウンフォースを生み出す専用リアウイングを装備しています。
「エリーゼ」をはるかに超えるパフォーマンスを誇るだけに、値段の差は133万2,000円あります。
エリーゼ スポーツⅠのハイパフォーマンス版「エリーゼ スポーツ220Ⅰ」
「エリーゼ スポーツⅠ」のエンジンを1.8Lスーパーチャージドに置換したモデルで、値段が130円高くなっています。
エリーゼ スポーツⅡのハイパフォーマンス版「エリーゼ スポーツ220Ⅱ」
「エリーゼ スポーツⅡ」のエンジンを1.8Lスーパーチャージドに置換したモデルで、値段が118万8,000円高くなっています。
エリーゼ スプリントのハイパフォーマンス版「エリーゼ スプリント220」
「エリーゼ スプリント」のエンジンを1.8Lスーパーチャージドに置換した、エリーゼシリーズの最高峰に位置するモデルです。
値段は、「エリーゼスプリント」よりも148万8,000円高くなっています。
ロータス・エリーゼの維持費は、輸入車としては高くない
ロータス・エリーゼの値段が分かったところで、次に維持費がいくらくらいかかるのか、検証してみました。
維持費には、おおまかに分けて次の4つがあります。
- ・税金・保険料
- ・ガソリン代
- ・車検費用
- ・消耗品交換費用
自動車税は3万9,500円とまずまず
まず税金に関してですが、毎年課せられる自動車税は、ロータス・エリーゼの排気量は全車1.5L超2L以下なので3万9,500円になります。
一方、車検のときに課せられる自動車重量税は、ロータス・エリーゼの車両重量は全車1トン以下、かつエコカー減税非対象車なので、1万6,400円になります。
次に保険料ですが、自賠責保険料はほかの登録車と同じように、24か月で27,840円です。
また、自賠責保険のほかに任意保険にも加入したいという人がほとんどだと思いますが、任意保険料は保険会社によって異なります。
しかし、ベーシックグレードの「エリーゼ」の場合で、任意保険料率クラスは対人・対物が9段階(1がもっとも安く9がもっとも高い)4、車両が7が一応の目安になります。
実燃費は非公表。ガソリン代は年間14万円程度
ロータス・エリーゼはJC08モード燃費が公表されていませんが、ユーザーからの報告による実燃費は、おおむね9~11km/L台となっています。
ガソリン単価(ハイオク)を140円/L、燃費10km/L、年間走行距離10,000kmと仮定して計算すると、年間のガソリン代は10,000/10×140=14万円になります。
エリーゼはサブカー(2台目)として使われることも多いので、年間走行距離が少なければそれだけガソリン代は安く済みます。
車検費用は20万円超が目安
車検にかかる費用は、ディーラーや車検工場によって異なります。
車検場の多くは輸入車に対して割増料金を請求しますから、20万円オーバーは覚悟しないとならないでしょう。
輸入車にしては消耗品交換費用が安い
交換頻度の高い消耗品として、エンジンオイルやオイルエレメントがあります。ロータス・エリーゼの場合、交換するにはリアアンダーパネルを外す必要があります。
そのため、エンジンオイル交換だけでも工賃込で6,000~10,000円以上かかるようです。
次に、故障により発生する修理費用についてです。現行モデルのエンジンはトヨタ製なので、エンジンそのものの故障で出費を強いられるリスクは少なくなっています。
ただし、エンジン補器類や電装関係などは国産車よりも故障が発生しやすいので、その分の出費は覚悟しておいた方がよいでしょう。
総合的にみて、ロータス・エリーゼの維持費は輸入スポーツカーの中では高くありませんが、国産車と比べると高めにつく傾向があります。
値段に見合った魅力があるロータス・エリーゼ
ロータス・エリーゼの値段と維持費について解説してきました。
1.6~1.8Lエンジン搭載で500~700万円台にもなる車両価格は、国産スポーツカーと比べると割高にも感じられます。
しかし、国産スポーツカーでは得られない運動性能や人馬一体感が得られるなど、ロータス・エリーゼには魅力がたっぷり詰まっています。
たとえば、マツダ「ロードスター」と比べると値段は2倍ほどしますし、車検費用も高くつきますが、その出費に見合った満足度が得られるはずです。
値段や維持費が高いことは間違いありませんから、計画的に予算を立てる必要があるでしょう。