結婚すると家族構成や生活環境が変わります。
マニュアル車に乗っている人の場合、そのまま乗り続けるか手放してオートマ車に買い替えるかで、迷うことがあるはずです。
そんな人のために、マニュアル車に乗るメリットとデメリットを検証してみました。
結婚相手次第でマニュアル車の運命が決まる
最初に、マニュアル車に乗っている人が結婚した場合に、マニュアル車を取り巻く環境の何が変わるのか、ケースごとに検証してみましょう。
結婚相手が運転免許を持っていないケース
このケースでは、そもそも妻(あるいは夫)は車の運転ができないわけですから、マニュアル車を取り巻く状況は基本的に変わりません。
そのまま乗り続けることは比較的簡単かもしれません。
結婚相手がオートマ限定免許を持っているケース
このケースは結婚相手がペーパードライバーでない限り、いま乗っているマニュアル車を手放す必要性が高まります。
ただし、結婚後に自分の車と相手の車の2台分の駐車場と維持費が確保できる場合は、その限りではありません。
結婚相手が限定なし(MT)の運転免許を持っているが、マニュアル車の運転ができないケース
限定なしの運転免許を持っていても、オートマ車ばかり乗り続けるとマニュアル車の運転ができなくなってしまう(あるいは嫌になる)ケースはよくあります。
この場合、結婚相手にマニュアル車の運転練習をしてもらえばマニュアル車を手放さずに済みますが、相手が練習をしてくれるかどうかが問題です。
マニュアル車に乗るメリットは、ドライビングプレジャーが得られることなど
次に、視点を変えてマニュアル車に乗るメリットについて考えてみましょう。
オートマ車にはないマニュアル車ならではのメリットには、次のようなものがあります。
- ・自分の意思で車を動かしている実感がえられる
- ・状況に応じて自分の好きなギアを選んで走れる
- ・ペダルの踏み間違いによる暴走事故が起きにくい
自分の意思で車を動かしている実感がえられる
マニュアル車の最大の醍醐味は、両手両足を駆使して車を動かすことで得られるドライビングプレジャー(運転する楽しさ)にあります。
アクセルペダルを踏むだけで走れてしまうオートマ車に対し、マニュアル車はクラッチ操作とシフトチェンジが欠かせません。
この一見面倒にも感じられる操作が、自分の意思で車を動かしているという満足感につながるのです。
状況に応じて自分の好きなギアを選んで走れる
マニュアル車は、燃費をかせぎたいときは高いギアに入れて走行する、急加速をしたいときは低いギアに落としてエンジンの回転を上げるといったように、状況に応じて自分の好きなギアが選べるのもメリットのひとつです。
もちろん、オートマ車にもDレンジのほかにLレンジなどの低いギアが用意されています。しかし、Dレンジに入れっぱなしでのイージードライブが持ち味なので、わざわざ変速する人は少数派でしょう。
また、パドルシフトを駆使してマニュアル車のような変速ができる車種もありますが、一定の条件を満たさないとシフトアップやシフトダウンを受け付けないなどの制約があるのが難点です。
ペダルの踏み間違いによる暴走事故が起きにくい
最近は、ペダルの踏み間違いによる悲惨な事故がたびたび報道されていますが、ほぼすべてがオートマ車によるものです。
マニュアル車による暴走事故が少ないのは、ブレーキ操作とクラッチ操作がセットになっているからだと思われます(単純に台数が少ないことも)。
加速も減速も右足一本で行うオートマ車に対し、マニュアル車は加速は右足、減速は右足+左足と操作が異なるので、踏み間違いそのものが起こりにくいのです。
また、万が一急ブレーキを踏むつもりでアクセルを踏んでしまったとしても、クラッチを踏んでいれば動力が遮断されるので、大事故にはつながりません。
マニュアル車に乗るデメリットは、渋滞時に疲れることなど
続いてはマニュアル車に乗るデメリットですが、以下のものがあげられます。
- ・渋滞に巻き込まれるとクラッチ操作が重荷になる
- ・坂道発進が面倒
- ・オートマ車と比べカタログ燃費が悪い場合が多い
渋滞に巻き込まれるとクラッチ操作が重荷になる
交通の流れのよいところでは、頻繁にクラッチ操作をする必要はありませんが、渋滞に巻き込まれてゴー&ストップの連続になると、たびたびクラッチを操作することになります。
特に、クラッチペダルの重いマニュアル車の場合は、左足が疲れて車を運転し続けるのが辛くなってしまうことでしょう。
また、マニュアル車は発進の際にエンストしないよう気を使うので、その面からも渋滞は嫌なシチュエーションです。
・坂道発進が面倒
マニュアル車の中には、坂道発進の際に一定時間ブレーキをホールドして後ずさりを防ぐ「ヒルホールドアシスト」などと呼ばれる機構が装備されている車種もありますが、マニュアル車全体の中では少数派です。
多くのマニュアル車は、坂道発進時にサイドレバーを引いての一連の儀式が必要になりますが、面倒に感じる人も多いのではないでしょうか?
また、すぐ後ろに車がいる場合は、万が一エンストしてしまったらどうしようというプレッシャーも大きくなります。
オートマ車と比べカタログ燃費が悪い場合が多い
最近のオートマ車は効率が非常に良くなっているので、同一車種のマニュアル車と比べカタログ燃費が優れているケースが多くなっています。
しかし、実燃費に関しては、マニュアル車でもギアを上手に選べばオートマ車に劣らない数値を出せることがあります。
マニュアル車を手放すかどうかは、ケースバイケース
結婚を機会にいま乗っているマニュアル車を手放すかどうかは、結婚相手が運転免許を持っているかどうか、マニュアル車の運転ができるかどうかで左右されるので、結局のところケースバイケースです。
結婚相手が運転免許を持っていなかったり、マニュアル車の運転が好きである場合などは、当然ですがマニュアル車を手放す必要性はまったくありません。
逆に、結婚相手がオートマ車しか運転できず、かつ1台分の駐車スペースしか確保できない場合は、マニュアル車を手放すこと一択になります。
一方、結婚して住まいが渋滞のない田舎から渋滞ばかりの都会に代わり、マニュアル車のデメリットが気になるようになった場合も、オートマ車への替え時になるでしょう。
もし、マニュアル車を手放す場合は、ディーラーに買取ってもらうよりも車の一括査定の利用がおすすめです。
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