スポーツカーの代名詞とも言えるポルシェ911は、車好きなら誰もが憧れたことがあるはずです。
しかし、高価な車であるうえ維持費が高いと言われているので、購入に二の足を踏んでしまう方も多いことでしょう。
そこで、ポルシェ911の維持費は実際にいくら掛かるのかを、検証してみました。
ポルシェ911の維持費の内訳は、大きく分けて5つ
ポルシェ911の維持費は、おおまかに分けて次の5つがあります。
- ・ガソリン代
- ・税金
- ・保険料
- ・車検費用
- ・消耗品交換費用
自宅に駐車スペースがない場合は、これらのほかに駐車場代も必要になります。
しかし、駐車場代は場所によりまちまちなので、維持費の項目から外しました。
また、高速代など有料道路の使用料に関しても、個人の使い方によって大きな差が出るので除外します。
続いて各項目の金額ついて検証していきますが、1年間あたりに換算して算出します。
ポルシェ911で年間1万km走行した場合のガソリン代は、およそ20万円
まずはガソリン代について検証しますが、年間の走行距離を1万kmと仮定します。
また、ポルシェ911の使用ガソリンは全車ハイオクですが、単価を150円/Lとします。
ガソリン代の計算に欠かせない燃費の数値は、現行991型の場合、JC08モード燃費が公表されていません。
公式ホームページに記載されているのは欧州複合モードと思われますが、「カレラ」シリーズや「ターボ」シリーズの場合で10km/Lを超えています。
しかし、信号や渋滞の多い日本で使用する場合の実燃費はここまでいかず、せいぜい7~8km/L程度です。
それを踏まえ、燃費の数値は中間を取って7.5km/Lとします。
この条件で算出したポルシェ911の年間のガソリン代は、以下のとおりになります。
【10,000 / 7.5 × 150円 ≒ 200,000円】
国産のエコカーなどと比べると、ガソリン代がかなりかさんでしまいますが、性能の高さを考えれば仕方ないところでしょう。
エコカー減税の対象にならないポルシェ911の税額は、約7~9万円と高額
税金については、購入したあとにも課税されるものとして自動車税と自動車重量税があります。
911はエコカー減税対象外で自動車税がかなり高い
まず、毎年1回課税される自動車税に関してですが、ポルシェ911のグレードのうち2,981ccの「カレラ」シリーズと「GTS」は、「2.5L超3L以下」の区分に入ります。
その税額は、51,000円です。
また、3,800ccの「ターボ」シリーズと、3,996ccの「GT2/GT3」シリーズは「3.5L超4L以下」の区分なので、税額はより高く66,500円になります。
いずれのグレードも、「グリーン化特例」と呼ばれるエコカー減税の対象にならないため、かなり高額です。
自動車重量税も同じく高額
次に、車検のときに課せられる自動車重量税ですが、ポルシェ911は全車「1.5トン超2トン以下」の区分です。
エコカー減税の対象とならないため、税額は減税なしの49,200円で、自動車税と同じようにかなり高額です。
これを年額に換算すると、初回の車検は購入から3年後なので49,200円÷3で16,400円、2回目以降の車検は2年ごとなので49,200円÷2で24,600円となります。
トータルの税額は、以下のとおりになります。
- ・カレラシリーズ、GTS 67,400円~75,600円
- ・ターボシリーズ、GT2/GT3シリーズ 82,900円~91,100円
所有しているだけでこれだけの税金を取られてしまうのは、やはり辛いところです。
ポルシェ911の保険料は、任意保険に加入する場合は20~30万円が目安
次に自動車保険料の検証を行いますが、自動車保険にはご存知のとおり加入が義務付けられている自賠責保険と、ユーザーが任意に加入する任意保険があります。
このうち自賠責保険は、ポルシェ911の場合「自家用乗用自動車」に区分されますが、保険料はもっとも割安な37カ月契約の場合で36,780円です。
これを年額に換算すると、11,989円になります。
次に任意保険に関してですが、任意保険には対人・対物保険と車両保険があります。
対人・対物保険料は、その車両の事故率によって大きく異なりますが、一般的にスポーツカーは事故率が高いため、高額になる傾向があります。
しかし、ポルシェ911はユーザーの平均年齢が高いことや、高額な車であるため大事に乗りたいという意識が働くことなどから、スポーツカーとしては事故率が低くなっています。
そのため、対人・対物保険料もそれほど高くありません。
一方、車両保険料は車両価格にほぼ比例するので、ポルシェ911の場合はかなり高額になってしまいます。
対人・対物保険と車両保険の両方に加入した場合の保険料はいくらになるでしょうか?
ユーザーの等級やポルシェ911のグレードによって異なりますが、一般的に年額で20~30万円くらいです。
車両保険料が高額なので、トータルの金額も高くなってしまうのは仕方ないところです。
ポルシェ911の車検費用は、15~30万円が相場
車検にかかる費用は、ディーラーで受けるか町の車検工場で受けるかで異なります。
おおよその目安で言えば、点検整備費用と検査・車検代行料を合わせた金額で、およそ15~30万円くらいが相場です。
国産スポーツカーと比べると、やはり高めです。
車検費用は安くしようと思ってもほとんど価格が安くならないので、こればかりは覚悟を決めて払うしかないでしょう。
ポルシェ911の消耗品交換費用は、それなりにかさむ
ポルシェ911の消耗品の中でもっとも交換ひん度が高いのは、エンジンオイルです。
メーカーでは、走行距離に関係なく1年に1度オイル交換することをすすめています。
オイル交換の費用は、ディーラーに依頼するか町の整備工場などに依頼するかで違ってきますが、オイル代+工賃でおよそ3~5万円が目安です。
また、タイヤも交換回数が高い消耗品です。
ポルシェ911の場合、フロントタイヤとリアタイヤで寿命が異なります。それぞれフロントが1~1.5万km、リアが2~3万kmとなっています。
タイヤの交換費用は、タイヤの銘柄や依頼先などによっても異なりますが、4本でおよそ10~20万円が相場です。
年間1万km走行するケースで、安全性第一でタイヤを早めに交換する場合、1年あたりの金額に換算したタイヤ交換費用は7.5~15万円ほどになるでしょう。
そのほかの消耗品では、バッテリーは2年に1度の交換が望ましいとされます。
ポルシェ911に適合するバッテリーの価格は2~2.5万円程度なので、これを年額に換算すると1~1.2万円ほどになります。
ポルシェ911の年間のトータル維持費は、約60~70万円台
最後に、ポルシェ911で年間1万km走行した場合の維持費はいくら掛かるのかを、表にまとめてみました。
ガソリン代 | 税金 | 保険料 | 車検費用+消耗品交換費用 | 合計 |
---|---|---|---|---|
約20万円 | 6万7,400円~9万1,100円 | 約20万円~30万円 | 約16万円~37万円/年 | 約63万円~96万円 |
ポルシェ911の維持費は、年間100万円に達すると言われることがありますが、場合によってはそのケースもあり得ることが分かりました。
さらに、走行距離が多い場合や、高速代や駐車場代なども含める場合は、100万円を大きく超えてしまうこともあるでしょう。
もし、これだけの維持費が掛かってもポルシェ911に乗り換えたい!という場合は、初期費用をなるべく安く抑える必要があります。
そのためには、無料の一括査定で愛車を最高額で手放すようにしましょう。
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ポルシェ911の費用負担を軽くするためにも、まずは愛車の査定額をチェックするところから始めてみましょう。