トヨタのプレミアムSUVには「ランドクルーザー」と「ランドクルーザープラド」があります。
どちらを買おうか迷っている人や、そもそも2台の違いが分からないという人もいるはずです。
そこで、ランドクルーザーとランドクルーザープラドの違いをスペック面をメインに比較してみました。
悪路走破性のランドクルーザー、舗装路快適性のランドクルーザープラド
まず、2台の発売時期や性格の違いについて解説します。
ランドクルーザーは悪路走破性を重視した本格的クロスカントリー車で、現行型の200系は2007年9月にリリースされました。
一方、ランドクルーザープラドは悪路走破性だけでなく舗装路での快適性も追及したモデルで、現行型の150系は2009年9月のリリースとなっています。
また、トヨタ車のラインナップ中でのランク付けはランドクルーザーの方が上級で、ランドクルーザープラドはその弟分としての位置付けです。
ボディはランドクルーザーの方が大柄
2台のボディスペックを比較してみましょう。
- ランドクルーザー
- 全長4,950mm
- 全幅1,980mm
- 全高1,870~1,880mm
- ランドクルーザープラド
- 全長4,825mm
- 全幅1,885mm
- 全高1,835~1,850mm
数字だけで見ると違いがわかりにくいですが、ランクル・プラドのほうがランクルよりも一回り小さいサイズです。
また、ホイールベースもランドクルーザーの2,850mmに対し、ランドクルーザープラドは2,790mmと60mm短く設定されています。
車両重量はランドクルーザーの2,430~2,690kgに対し、ランドクルーザープラドは2,050~2,320kgと300kg以上軽量です。
そして、悪路走破性に影響する最低地上高は、ランドクルーザーが225mm、ランドクルーザープラドが220mmとランドクルーザーが5mm大きくなっています。
最小回転半径はランドクルーザーの5.9mに対しランドクルーザープラドは0.1m小さい5.8mで、ボディのコンパクトさと相まって取り回し性の面では有利になっています。
運転のしやすさという点においては、ランクル・プラドのほうが優れているでしょう。
室内もランドクルーザーの方が広い
室内の仕様を比較してみましょう。
どちらの車種にも2列シートと3列シート仕様が設定されています。2列シート仕様の乗車定員が5人であることは2台とも同じです。
ただし、3列シート仕様の乗車定員はランドクルーザーが8人であるのに対し、ランドクルーザープラドは1人少ない7人となるのが相違点です。
室内寸法はどうでしょうか。
- ランドクルーザーの長さ
- 1,945mm(5人乗り)
- 2,690mm(8人乗り)
- ランドクルーザープラドの長さ
- 1,825mm(5人乗り)
- 2,520mm(7人乗り)
高さを別にすればボディサイズの大きいランドクルーザーの方が広くなっています。
パワーのランドクルーザー、燃費のランドクルーザープラド
エンジンを比較してみましょう。
- ランドクルーザー
- 4.6L V8ガソリン(最高出力318ps/最大トルク46.9kgm)
- ランドクルーザープラド(下記どちらか)
- 2.8L直4ディーゼルターボ(最高出力177ps/最大トルク45.9kgm)
- 2.7L直4ガソリン(最高出力163ps/最大トルク25.1kgm)
ランドクルーザーの方がはるかにパワフルであるうえ、パワーウエイトレシオも勝るので、動力性能面ではランドクルーザープラドに勝ち目はありません。
一方、燃費はランドクルーザーの6.7~6.9km/Lに対し、ランドクルーザープラドは9.0~11.8km/L(※いずれもJC08モード燃費)とはるかに優れています。
燃料タンク容量はランドクルーザーが93L、ランドクルーザープラドが87Lとランドクルーザーの方が6L大きいものの、無給油で走れる距離はランドクルーザーの方が長いはずです。
悪路走破性はランドクルーザーの方が高い
2台の対地障害角を比較してみましょう。
- ランドクルーザー
- アプローチアングル32°
- ブレークオーバーアングル25°
- デパーチャーアングル25°
- 最大安定傾斜角44°
- 登坂能力45°
- ランドクルーザープラド
- アプローチアングル31°
- ブレークオーバーアングル22°
- デパーチャーアングル27~28°
- 最大安定傾斜角42°
- 登坂能力42°
ランドクルーザープラドのほうが、デパーチャーアングルをのぞくすべての項目で劣っています。
とはいえ、これはかなり高い次元での差です。ランドクルーザープラドも十分なオフロード性能を持っていますが、ランドクルーザーはそれ以上の性能があるということです。
また、路面状況に応じて最適な4WD性能を発揮できる下記のシステムは、ランドクルーザーには全車に標準装備されています。
- ・5つのモード切り替えが可能な「マルチテレインセレクト」
- ・悪路でアクセルやブレーキ操作なし極低速走行ができる「クロールコントロール」
一方、ランドクルーザープラドは最上級グレード「TZ-G」にオプション設定されるのみとなっています。
悪路走破性はランドクルーザーの方が勝りますが、利便性の高い傾斜角モニター+タイヤ切れ角+4輪トラクション作動+デフロック作動表示機能が備わるのはランドクルーザープラドのみです。
値段が安く買いやすいのはランドクルーザープラド
グレード体系および価格を見てみましょう。
- ランドクルーザー
- 「ZX」(683万6,400円)
- 「AX Gセレクション」(586万80円)
- 「AX」(514万800円)
- 「GX」(472万8,240円)
- ランドクルーザープラド
- 「TZ-G」(536万3,280円)
- 「TX Lパッケージ」(404万7,840円~482万2,200円)
- 「TX」(353万8,080円~430万7,040円)
ランドクルーザープラドの方が買い求めやすくなっています(※いずれも北海道地区をのぞく価格)。
悪路を走る機会が多いならランドクルーザー、日常的に使うならランドクルーザープラド
総合的にみると、悪路を走る機会が多く、とにかく究極の悪路走破性を望むならランドクルーザーがおすすめです。
一方で、悪路を走ることもあるけど、どちらかといえば日常的な使いやすさや経済性を重視するならランドクルーザープラドのほうが良いでしょう。
しかし、ともに安全装備や快適装備が充実しているほか、信頼性や耐久性の高さは2台とも折り紙付きなので、どちらを選んでも後悔はしないでしょう。
もし、いま乗っている車を手放してランドクルーザーかランドクルーザープラドに買い替える場合は、車の一括査定の利用をおすすめします。
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ランクルやランクル・プラドはどちらもブランド力があり、値下がりしにくい車種です。
少しでも愛車を高く売却して、手元の資金を多めに確保しておきたいですね。