別居の子どもを自動車保険で補償するにはどうすればいいのでしょうか?
自動車保険には補償範囲にさまざまな条件が設定されています。
そのなかでも年齢条件や「家族」の範囲には注意が必要です。
とくに「別居の子ども」は補償範囲を勘違いする人が多くなっています。
いざ補償を受けようとした時に「補償が受けられない」という事態が多く発生しているのです。
とはいえ、その補償を理解するのは決してむずかしくありません。
知っているだけでお得に自動車保険を契約することができます。
保険の年齢条件や補償範囲をしっかりと理解しておきましょうね。
別居の子どもを補償するには「条件」をチェック!
子どもが一人暮らしを始めたり、結婚して独立をするようになったときは自動車保険見直しの良いタイミングです。
なぜなら、子どもが別居をすることで保険の補償範囲が変更されることになるからです。
別居の子どもを補償する方法を知るためには、これから紹介する2つの「条件」について理解しておく必要があります。
- ・運転者限定条件
- ・年齢条件
知っておきたい「運転者限定条件」ってなに?
自動車保険には「運転者限定条件」というものがあります。
これは車を運転する人を限定することで、保険料を安くするための仕組みです。
自動車保険は運転する人が少ないほど、支払う保険料が少なくなります。
その理由は、事故が起きるリスクが減るからです。
さて、運転者限定は大きく3つに分けることができます。
- ・本人限定
- ・夫婦限定
- ・家族限定
車を運転する人が「記名被保険者=本人」のみの場合は、保険料が最も割引になります。
運転する人が1人だけだと事故にあうリスクが減りますよね。
これらの限定条件は、別居の子どもの補償を考えるときに重要になります。
なぜなら、限定条件によっては別居の子どもが補償の対象外になることがあるからです。
まず1つ目は「運転者限定条件」を理解しておきましょう。
知っておきたい「年齢条件」ってなに?
運転する人を限定する、もう1つの条件が「年齢条件」です。
これは上記で説明した運転者の属性(夫婦や家族)以外に、年齢によって限定するものです。
多くの自動車保険では以下のように年齢を区切って条件を設定しています。
たとえば損保ジャパンの年齢条件は以下のように分かれています。
- ・全年齢補償
- ・21歳以上補償
- ・26歳以上補償
- ・35歳以上補償
全年齢補償は保険料が最も高くなります。
なぜなら、若い人(たとえば18歳)でも補償の対象となるので事故にあうリスクが高くなるからです。
年齢条件は狭くすれば、そのぶんだけ保険料を節約することが可能となります。
2つ目は「年齢条件」を理解しておきましょう。
別居の子どもが補償されるかは条件次第!
ここまで「運転者限定条件」と「年齢条件」の2つの条件を説明しました。
別居の子どもが補償の対象になるかは、この2つの条件が大きく関係しています。
まず「本人限定」は当然ながら対象外になります。
たとえば「父親」を本人限定とした自動車保険で、別居の子どもは補償されませんよね。
以下では「夫婦限定」「家族限定」にスポットを当てて別居の子どもが補償の対象になるか確認していきます。
合わせて年齢条件も加えて、確認しましょう。
夫婦限定の場合は?
夫婦限定特約の自動車保険は、別居の子どもは補償の対象外です。
夫婦限定となっているので、保険の対象となるのは「記名被保険者」と「配偶者」のみとなります。
これもわかりやすいと思います。
夫婦限定は父親・母親だけが補償対象になる保険なので、別居の子どもは補償されません。
家族限定の場合は?
家族限定は、限定条件のなかでもいちばんカバー範囲が広くなっています。
「同じ家族だから、別居の子どもでも補償されるでしょ?」
このように多くの人は考えがちですが、じつは必ずしも補償されるとは限りません。
別居の子どもは、すでに結婚しているか・していないか(既婚 or 未婚)によって補償されるかどうか決まります。
- ・別居の既婚の子→補償はされない
- ・別居の未婚の子→補償される
つまり、家族の車(たとえばお父さん)を「別居の既婚の子」が運転しても、補償されません。
夏休みで帰省したときに、父親の車を別居している子どもが運転するのは補償の対象外なので注意しましょう。
反対に「別居の未婚の子」は補償されます。
そのため、大学生で一人暮らしの子どもが実家に帰ってきたときに、家族限定の車を運転しても問題ありません。
家族限定割引と適用している保険は、別居の子どもが「結婚しているか・していないか」によって補償の範囲が変わってくるということです。
なぜ既婚と未婚で補償の対象が分かれてしまうのでしょうか?
これは、すでに結婚している人は責任ある大人として見なされるから、と考えるとわかりやすいでしょう。
家族限定+年齢条件は勘違いが多い
もう1つのケースをご紹介しましょう。
それは家族限定に加えて、年齢条件を設定している場合です。
たとえば「運転者年齢条件を26歳以上にしている実家の車を、一人暮らし子ども(20歳)が運転しても大丈夫?」といったケースです。
実家の車を、帰省した子どもが運転する場合などが当てはまりますね。
一見すると「年齢条件が26歳以上ってことは、20歳の別居の子どもは対象外じゃない?」と思われます。
しかし、年齢条件は「別居の親族」には適用されません。
したがって、一人暮らしをする20歳の子どもが車を運転しても問題ないということです。
反対に「同居の子ども」には年齢条件が適用されるので注意が必要です。
つまり、「年齢条件が26歳以上となっている実家の車を、一緒に住んでいる20歳の子どもが運転しても補償されない」ということになります。
わかりやすくいえば、年齢条件の補償の範囲は「同居か、別居か」によって分かれているのです。
- 別居の子ども→年齢条件は対象外
- 同居の子ども→年齢条件が対象になる
別居の子どもを補償するならコレを選ぼう
ごらんいただいたように、自動車保険の補償範囲は非常にまぎらわしいものです。
ですから、別居の子どもが補償の範囲になるかはあらためて確認することをオススメします。
ここからは「未婚の子ども」と「既婚の子ども」について、それぞれ補償を適用させる方法をご紹介します。
未婚の別居の子どもを補償の対象にするには?
実家の両親の車を別居の未婚の子どもが乗っても大丈夫にするためには、以下の条件で自動車保険を契約しましょう。
- ・家族限定割引
- ・年齢条件は自由
既婚の別居の子どもを補償の対象にするには?
実家の両親の車を別居の既婚の子どもが乗っても大丈夫にするには、以下の条件で設定すれば問題ありません。
- ・運転者限定割引(本人・夫婦・家族いずれも)は削除する
- ・年齢条件は自由
さきほど説明したように、年齢条件は「別居の親族」にはあてはまりません。
そのため、別居の子どもは年齢に関係なく補償されます。
条件を見直すことで保険料が安くなる
自動車保険は「運転者の条件」を上手く組み合わせることで保険料を安くすることができます。
そのため、家族が引っ越しをしたりといった場合にはその都度、保険を見直すべきです。
反対に、いままで子どもが補償されると思っていた自動車保険が、じつは補償の対象外だったというケースも考えられます。
まずは保険の見積りを出してもらって、あらためて見直すことをオススメします。