自分に責任がある単独事故のことを「自損事故」といいます。
自損事故は相手がいない分、損害賠償の心配はありませんが決して軽視できない事故です。
自損事故の種類によっては、数千万、数億円の損害が発生する可能性があります。
さて、自損事故を補償するには自動車保険に加入する必要がありますが、対物賠償保険で自損事故は補償してもらえるのでしょうか?
そもそも自損事故とは?
対物賠償保険で自損事故をカバーできるか知るには、まず自損事故とは何かを正確に理解する必要があります。
自損事故とは、相手がいない事故で、自分の車が壊れたり、自分がケガをする事故のことです。
たとえば、ガードレールや電柱に衝突したり、家や店舗の外壁に突っ込んだりする事故のことをいいます。
相手に責任はなく、自分の過失割合が「10対0」であることが、自損事故の特徴です。
対物賠償保険がカバーするのは「自分以外の相手」
結論からいうと、対物補償保険は自損事故による相手の損害は補償できます。
さきほどの例のように、ガードレールや電柱、家や店舗の修復代金は対物補償保険で補償することができます。
一方、自分自身の車やケガは、対物補償では補償できません。つまり、自損事故で発生した自分の損害は対物補償保険では補償されないということです。
なぜなら、対物補償保険はあくまでも他人の財物を補償するための保険だからです。
名前のせいもあって、自分の損害も補償できると勘違いする人が多いので注意が必要です。
たとえば、自宅の駐車場の支柱にぶつかって車や支柱が壊れてしまっても、対物補償保険は補償の対象外となります。
自損事故の車の損害や、ケガはどうやって補償すればいい?
さて、自分の車やケガの損害を補償する方法についてみていきましょう。
まず自損事故による車の損害は、車両保険でカバーすることができます。そして、自損事故によるケガや死亡については人身傷害保険でカバーできます。
- 自損事故による自分の車の損害
- →車両保険
- 自損事故による自分たちのケガや死亡
- →人身傷害保険
車両保険で自損事故による車の損害をカバーする
車両保険は、自分自身の車の修理などに使える保険です。
自損事故はもちろん、車同士がぶつかって自分の車が壊れてしまったときの修理代もカバーすることができます。
相手がいなくても使えるので、運転能力に不安がある人や自損事故による車の損害をカバーしたい人は車両保険に加入すると良いでしょう。
ただし、自損事故で車両保険を使うと、等級がダウンします。翌年以降の保険料が高くなってしまうため、むやみに車両保険を使うのはオススメしません。
さらに、車両保険に加入すると年間保険料が高くなるため、不要な人は加入しないという選択肢も考えるべきです。
人身傷害保険で自損事故のケガなどをカバーする
自損事故で、車に乗っている人のケガや死亡を補償するためには、人身傷害保険を使う必要があります。
人身傷害保険は、自損事故だけでなく、車同士がぶつかって起きた事故のケガや死亡も補償することができます。
また、人身傷害保険は、友達など他人の車で起きた事故でケガをしたときにも補償が受けられる、カバー範囲の広い保険です。
人身傷害保険はノーカウント事故とも呼ばれ、使っても等級がダウンしません。
ですから、加入すべきですし、自損事故でケガをしたときにも使ったほうが良い保険です。
対物賠償保険は重要だが、自損事故は対象外
あらためて、対物賠償保険と自損事故の関係を確認しておきましょう。
- ・自損事故による自分の損害は対物賠償の対象外
- ・自損事故による自分の損害は車両保険と人身傷害保険で
- ・人身傷害保険は等級ダウンなしなので、活用すべし
自損事故による損害は、車両保険と人身傷害保険でカバーすることになります。もし相手のモノを壊してしまったなら、対物賠償保険です。
自損事故に完全に備えるのであれば、車両保険と人身傷害保険に加入しておくのがベストです。
とはいえ、さきほど説明したとおり人身傷害保険はともかく、車両保険に加入すると保険料が高くなります。
ですから、もし自損事故に対する備えをしっかりしたいのであれば、なるべく保険料が安くなる保険会社を選ぶべきでしょう。
保険料が安くなれば、車両保険と人身傷害保険に加入できる人も多いと思うので、自損事故も恐くありません。
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