マニュアル車は、オートマ車を上回る運転の楽しさが味わえるのが魅力ですが、新車で買えるマニュアル車の種類はあまり多くありません。
しかし、中古車ならたくさんの選択肢があります。
そこで、価格が安く、かつ自信をもっておすすめできる中古マニュアル車ベスト4を選んでみました。
100万円以下、製造から10年以内の条件でチョイス
まず選考の基準ですが、「価格が安い」ことが第一条件なので、販売価格は100万円以下としました。
また、いくら魅力的なマニュアル車でも、あまりにも年式が古いと故障や部品調達の面でリスクが高いので、年式は製造されてから10年以内を条件とします。
この基準で選んだおすすめ中古マニュアル車が、以下の4台です。
- 1 トヨタ「iQ・130G MT」
- 2 ホンダ「CR-Z」
- 3 マツダ「RX-8」
- 4 三菱「コルト・ラリーアート」
いずれも魅力的な中古マニュアル車ばかりなので、優劣をつけるのは困難です。
各モデルの特徴や中古車の価格帯について解説しましょう。
エンジンは平凡だがキビキビ走る、トヨタ「iQ・130G MT」
トヨタのFFコンパクトカー「iQ」は、軽自動車よりも全長の短いボディや3+1シーターの室内レイアウトを持つユニークなモデルです。
発売当初は話題を呼びましたが、2016年3月をもって生産終了となりました。
このiQに設定されていたマニュアルグレードが、2010年11月に発売された「130G MT」です。
エンジンは多くのトヨタ製コンパクトカーに搭載されている1.3L直4で、最高出力は94psと決して高くありません。
しかし、車両重量が900kg台と軽量、6速MTでキビキビと走ることが可能です。
また、ショートホイールベースながら操縦安定性も優れているので、個性派マニュアル車としておすすめできます。
中古車価格は60万円台~130万円台が相場ですが、流通数でみれば100万円以下の個体が主流です。
走行性能と環境性能を両立した、ホンダ「CR-Z」
ホンダの2+2シータークーペ「CR-Z」は、スポーツカーとハイブリッドカーを融合したユニークなモデルとして、2010年2月から2017年1月にかけて販売されました。
パワートレインは1.5L直4 i-VTECエンジン(最高出力113~120ps)と電気モーター(最高出力14~20ps)の組み合わせで、1.8L~2Lエンジン並みの力強さを備えています。
トランスミッションはCVTも選べますが、ダイレクトなフィーリングやメリハリの効いた加速が得られる6速MT仕様がやはり本命でしょう。
また、ワイドトレッドやできのよいサスペンション、クイックなステアリングレシオなどのおかげで、FF車でありながらハンドリングも抜群で、山道での走りが楽しくなります。
燃費もカタログ値で19~22km/L台と優秀で、走行性能と燃費・環境性能が両立したマニュアル車としておすすめです。
中古車価格の相場は、下は30万円台から上は300万円近くまでとピンキリです。
ボリュームゾーンは60万円台~110万円台となっているので、100万円以下でもかなり選択肢が多くなっています。
ロータリーエンジン車ならではのフィーリングが楽しめる、マツダ「RX-8」
マツダのFRスポーツカー「RX-8」は、ロータリーエンジンを搭載した最後のモデルで、2003年4月から2013年4月にかけて販売されました。
スタイリッシュなフォルムとユニークな観音開き式4ドアによる実用性を両立させたボディは、いま見ても魅力的です。
エンジンは654cc×2ローター仕様で、電気モーターのようなスムーズかつシャープな吹けあがりが持ち味になります。
マニュアル車のグレードは以下の3種類があります。
- ・スタンダードエンジン(最高出力210~215ps)+5速MTのベースグレード
- ・ハイパワーエンジン(最高出力235~250ps)+6速MTの「タイプS」
- ・同「タイプRS」
高回転域での伸びやパワフルさを重視するなら「タイプS」「タイプRS」がおすすめですが、扱いやすさに長けたベースグレードの選択も悪くありません。
また、エンジンだけではなく、スポーツカーの名に恥じない操縦安定性と優れた乗り心地を実現していることもRX-8の魅力です。
そして、後席スペースも外観から想像するほど窮屈ではないので、ファミリーカーとしても十分使えるでしょう。
中古車価格は、2007年式以降のモデルに限定すると40万円台~290万円台が相場で、100万円以下で手に入る個体も少なくありません。
国産ホットハッチの代表格、三菱「コルト・ラリーアート」
三菱のハッチバックコンパクトカー「コルト」は、2012年10月まで販売されましたが、その高性能版となるグレードが「ラリーアート」です。
トランスミッションは当初はCVTのみの設定でしたが、2006年5月に5速MT仕様が追加されました。
搭載エンジンは1.5L直4 MIVECインタークーラーターボ(最高出力154ps)で、1.1トンほどの軽量ボディ。2L級スポーティカー顔負けのパフォーマンスを発揮します。
また、マニュアルミッションはゲトラグ製で、シフトフィールや剛性感も抜群です。
そして、ベースモデルに対してボディ剛性やサスペンションの強化が図られているので、操縦安定性もきわめて優れています。
国産ホットハッチの代表格であったコルト・ラリーアートは、いまでも輝きを失っていません。
中古車価格は、2007年式以降のモデルに限定すると30万円台~180万円台が相場となっており、100万円以下で手に入る個体もかなりの数が存在します。
中古車でも満足感あり、新車にコンプレックスを抱く必要なし
紹介したマニュアル車4台は、すべて新車で手に入れることはできない絶版車です。
いずれも、新車で買える車種では得られない個性や走行フィーリングが味わえるモデルばかりなので、中古車だからといってコンプレックスを抱く必要はまったくありません。
中古車ゆえの購入価格の安さも魅力的ですから、買い替えのときにはいま乗っている車を高く売るなどしてさらにお得に購入したいですね。