交通違反を犯し違反点数が一定以上になると、運転免許が取り消しまたは停止になり、一定期間は車を運転することができなくなります。
その場合、車を手放すことも検討しなければなりませんが、処分方法はどうすればよいかについて解説しましょう。
運転資格がはく奪される「運転免許取り消し」
車の処分方法について解説する前に、そもそも運転免許取り消しや運転免許停止とはどのような罰則なのか、どのくらいの期間車の運転ができなくなるのかについて解説します。
まず、運転免許取り消しとは、違反点数が15点以上になった場合に課せられる行政処分です。
1回で15点を超える違反行為としては、酒酔い運転(35点)、0.25以上の酒気帯び運転や無免許運転(25点)などがあります。
処分の内容は運転資格のはく奪ですが、すぐに車の運転ができなくなるわけではありません。「取消処分書」が正式に交付されるまでは運転することが可能です。
ただし、交通違反と同時に重大な死傷事故も起こしているケースでは、警察署長より「仮停止処分通知書」が交付されることがあり、その場合はすぐに運転資格がはく奪されてしまいます。
運転免許取り消しになると、車を運転したいと思っても免許がないので運転はできません。
当然ながら運転免許を再取得する必要がありますが、「欠格期間」と呼ばれる期間は運転免許の再取得ができません。
欠格期間の長さは違反点数により異なりますが、たとえばボーダーラインの15点の場合でも1年間と長く設定されています。
家族に運転免許所有者がいる場合は別として、1年間も車を運転できないとなると、さすがに車の処分を検討する必要があるでしょう。
車は運転しなくても、所有しているだけで自動車税や自動車保険がかかってしまいます。
一時的に運転資格が停止になる運転免許停止
一方、運転免許停止は違反点数が6点以上になった場合に課せられる行政処分で、運転資格が一時的に止められます。
しかし、運転免許取り消しの場合と同じようにすぐに車の運転ができなくなるわけではなく、「停止処分書」が正式に交付されるまでは運転することができます。
1回で6点を超える違反行為として、さきほど取り上げた違反種別以外であげられるのは以下のとおりです。
- ・0.25未満の酒気帯び運転(13点)
- ・仮免許運転違反や50キロ以上の速度超過(12点)
- ・無車検運行や無保険運行(6点)
運転免許が停止になる期間は、「30日間」「60日間」「90日間」「120日間」「150日間」「180日間」の6種類があり、点数や過去3年間の前歴により決められます。
30日間や60日間で済めばともかく、150日間や180日間も車を運転できないとなると、やはり車の処分も視野に入るはずです。
車を処分するには4つの方法がある
では、いよいよ本題となる、運転することができなくなった車を処分する方法について解説しましょう。
車を処分する方法には、次の4つがあります。
- 1 車を購入したディーラーに売却する
- 2 中古車買取専門店に売却する
- 3 スクラップ業者や解体業者に売却する
- 4 オークションに出品する
1.車を購入したディーラーに売却する
まず、もっともポピュラーかつハードルが低い手段として、車を購入したディーラーに売却する方法があります。
いちいち買取専門店をまわるのが面倒だったり、ディーラーの営業担当者と付き合いがある場合などは、一番手っ取り早く気軽な手段でしょう。
ただ、一般的にディーラーの買取査定額は低めである場合が多く、とくに年式が古くて走行距離も多い車の場合は、査定額がゼロになるケースもめずらしくありません。
その場合、廃車手数料として逆にお金を取られてしまうこともあります。
車を売りたい人がディーラーの下取りを避けるべき3つの理由とは?
2.中古車買取専門店に売却する
中古車買取専門店に売却するのも、ポピュラーな手段のひとつです。
おそらく複数の買取専門店をまわる人が少なく、自宅から一番近い買取専門店に車を持ち込み、そのまま売却するケースが多いものと思われます。
買取りの査定額は、ディーラーよりも高くなるケースが多いです。
3.スクラップ業者や解体業者に売却する
もし、ディーラーや中古車買取専門店でゼロ査定をされてしまったら、そのまま手続きをせずに、スクラップ業者や解体業者に持ち込んだ方がよいでしょう。
スクラップ業者や解体業者なら、査定額ゼロの車でも「鉄くず」として買い取ってくれるからです。
金額はその時の鉄くずの相場にもよりますが、おおむね3万円前後の値が付くようです。
また、近くにスクラップ業者や解体業者がない場合は、引き取りや廃車手続きを無料で行ってくれる廃車専門の買取専門店を利用する方法もあります。
廃車への持ち込みは、あくまでも車買取店で値段がつかなかった(0円だった)ときに初めて行なうようにしましょう。
4.オークションに出品する
車を処分するには、インターネットオークションを利用する手もあります。
インターネットオークションは、業者の仲介が入らないため、より高い値で売れる可能性が高くなります。
ただし、落札者が悪質な人間でないという保証はどこにもない上、名義変更などの諸手続きを自分でやらなければならないなど、かなりハードルの高い方法です。
また、一般人が利用できるインターネットオークションのほかに、業者専門のオークションも存在します。
ディーラーの営業担当者や近所の自動車整備工場のオーナーなどと親しくしている場合、車の売却を相談すると業者専門オークションへの代理出品を提案してくれることがあります。
その場合、仲介手数料は取られますが、それを差し引いても中古車買取店など売却するよりも多額のお金を手にできる可能性があるので、結構おすすめの方法です。
車を処分するには、まずは車の一括査定を利用する
運転免許が取り消しまたは停止になってしまった場合、車を処分するにはどうすればよいかについて解説してきました。
取り上げた4つの方法は、それぞれ良し悪しがあるので、どれがベストとは断言できません。
しかし、ひとついえるのは、まずは車の一括査定を利用してみるべき、ということです。
車の一括査定とは、簡単な手続きをするだけで、自宅にいながらにして複数の買取専門店から査定を受けられるサービスになります。
つまり、このサービスを利用すれば、一番高い査定額を提示してくれる買取専門店が簡単に分かるわけです。
自宅への無料出張査定もしてくれるので、時間がない人やお店に行くのが面倒な人にもオススメですよ。